EU第一審裁判所、Google対EUのAndroidをめぐる裁判で41.25億ユーロの制裁金 控訴の可能性も
EUの第一審裁判所は、EUがGoogleに対して2018年に課した高額な制裁金をわずかに減額して認めた。GoogleがAndroidで独禁法に違反したというもの。Googleはこの決定を不服としている。
欧州連合(EU)の司法裁判所の第一審裁判所は9月14日(現地時間)、米Googleに対して欧州委員会が2018年に命じた制裁金支払いの決定を支持する判断を下した。
欧州委員会は2018年7月、Googleが公式アプリストア「Google Play ストア」のアプリをプリインストールしたいAndroid端末メーカーに対し、「Google検索」と「Chromeブラウザ」もプリインストールすることを義務付けたことは、欧州の独占禁止法に違反したとして43億4000万ユーロの制裁金支払いを命じた。
Googleはこれを不服として上訴し、また、欧州経済地域(EEA)のAndroid端末について、Googleの公式アプリのライセンス方法を変更した。
第一審裁判所は、Googleによるライセンス方法変更も考慮し、制裁金の金額をわずかながら減額して41億2500万ユーロとした。それでも独禁法の制裁金としては過去最高額だ。
第一審裁判所はプレスリリースで「Googleは検索エンジンの支配的地位を確立するために、Android端末およびネットワークの企業に違法な制限を課したという欧州委員会の決定を概ね認めている」と語った。
Googleは米メディアに対し、「裁判所が欧州委員会の決定を完全に無効にしなかったことに失望している。Androidはすべての人々に選択肢を提供し、欧州や世界中で成功している何千もの企業を支援している」という声明を送った。
Googleはこの決定に対し、EUの最高裁に当たる司法裁判所に上訴できる。
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