Google、ゲームストリーミング「Stadia」を2023年1月に終了へ
Googleは2019年に立ち上げたゲームストリーミングサービス「Stadia」を2023年1月に終了すると発表した。期待したほどのユーザーの支持を得られなかったため。コントローラやゲームの代金はすべて払い戻す。
米Googleは9月29日(現地時間)、2019年に立ち上げを発表し、同年世界の14カ国(日本は含まれない)で提供を開始したゲームストリーミングサービス「Stadia」を終了すると発表した。「期待したほどのユーザーの支持を得られなかったため」としている。
現行のサービスユーザーは2023年の1月18日までゲームをプレイできる。コントローラなど、Googleストアで購入したすべてのハードウェア、Stadiaストアから購入したすべてのゲームやアイテムは自動的に払い戻す。ハードウェアなどを返却する必要はない。サブスクサービス「Stadia Pro」ユーザーはサービス終了までゲームをプレイできる。
Stadiaストアは既に閉鎖されており、公式YouTubeチャンネルからすべての動画が削除された。
Stadia担当責任者のフィル・ハリソン氏は公式ブログで、Stadiaのために開発したテクノロジープラットフォームは「ゲームを超えて」おり、「YouTube、Google Play、ARなど、Googleの他の部門にこのテクノロジーを適用する明確な機会がある」と語った。
また、ゲーム業界のパートナーにテクノロジーへのアクセスを提供することは「ゲームの未来が向かう方向と一致している」とも述べた。
GoogleはStadia立ち上げに際してハリソン氏を含むゲーム業界の実力者を多数採用し、ゲームスタジオも買収して注力してきたが、人気タイトルの移植はなく、ここ数カ月は新作ゲームのリリースも減っていた。
3月には、Stadiaのプラットフォーム技術を使ってゲームを自社ユーザーに直接配信できるようにするB2Bサービスを発表した。つまり、既にゲーム業界のパートナーにテクノロジーへのアクセスを提供している。
Googleは7月にユーザーから「Stadiaはもうすぐ終わっちゃうの?」とツイートで問われ「Stadiaは終了しない。さらにすごいゲームを提供するよう取り組んでいるので安心してほしい」とツイートしていた。
「Stadiaチームにとって、Stadiaをゼロから構築してサポートすることは、プレイヤーのゲームに対するものと同じ情熱で支えられてきた。チームメンバーの多くはGoogle内の他の部門でこの作業を続けていく。Stadiaのストリーミングテクノロジーを使って、ゲームやその他の業界に影響を与え続けることを楽しみにしている」(ハリソン氏)
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