美少女イラストが上手なAIはどれだ! AIお絵描き選手権(2/3 ページ)
続々と出てきた画像生成AIサービス。一番二次元の美少女を描くのが上手なのはどのサービスなのか。出力結果を比較してみる。
もっと筆者好みなキャラを描かせてみる
今度は、よりキーワードを詳細にしてみる。いわゆる“呪文”だ。筆者は髪に白の差し色が入ったキャラクターが好きなので「streaked white hair」、服はAIが出力しやすそうな制服にしたいので「School uniform」を追加。
ついでに、入力するだけでクオリティーが上がるという呪文「beautiful kawaii fluffy moe」も、Twitter で見かけたので入れてみる。「fluffy」は「ふわふわした」といった意味。つまりワードは「Kawaii Anime Girl,streaked white hair,School uniform,beautiful kawaii fluffy moe」になる。
まずはMidjourneyから。左が通常のもの。右が通常通り出力した画像のうち、良いと感じた絵をbeta upscale redoで再出力した画像だ。fluffyの影響が強すぎたのか、ちょっと動物っぽさが混じったが、これはこれでかわいい。
他の指示もだいたい反映されている。再出力したバージョンも、絵のタッチは日本っぽくはないが、キャラクターデザインはなかなかかわいいと感じる。
次にStable Diffusion。こちらは若干指示を聞いてくれなかった。髪色は青が入り、目も以前と同じであまり整わないまま。クオリティーを上げるにはもう少し指示に工夫が必要かもしれない。
次はERNIE-ViLG。画風は変わらずアニメ調を選択したが、このキーワードでは出力できなかった。話題になった当時から「天安門などと入力すると画像が出ない」といった問題点を指摘する意見もあったので、何らかのNGワードに引っ掛かったのかもしれない。筆者が試した時点では「fluffy」を外すと出力できたので、どうやらこの言葉がダメなようだ。
最後はDALL・E2だ。これは個人的にかなり上手に感じる。特に右端・左端がかなり日本のアニメ・ラノベっぽい。ただ、どれも差し色ではなく完全に白い髪色になっており、毛先の表現がやや荒く感じる。ラフ画でも参考にしているのかもしれない。
一通り結果を見た上で、個人的な優劣をつけるとしたら(1)DALL・E2、(2)ERNIE-ViLG(出力できた場合)、(3)Midjourney、(4)Stable Diffusion──という順位だろうか。もちろん呪文の質や長さによって得られる結果は変わるはずなので、一概によし悪しは決まらない。
とはいえ、雑なワード選びでどれだけのクオリティーのイラストが手に入るかという参考にはなった。SNSなどでも散々話題になったが、画像生成AIは人に比べて絵を手に入れるハードルが低い。ゆえに描き手(サービス)ごとの比較検討が人のイラストより簡単な点も、画像生成AIの強みといえるだろう。後発のサービスやそのバリエーションも増えているので、今後のこの強みはさらに大きくなるかもしれない。
関連記事
- このAI絵画のタイトルは何だ? 「Midjourney」お題当てクイズ
ITmedia NEWS編集部で、画像生成AI「Midjourney」が出力したイラストの“お題”を当てるクイズをやってみた。AIの性格を理解する力、適切に指示する力は今後も重要なスキルになるかもしれない。 - AIに思い通りの絵を描かせられるのは誰だ! 「Midjourney」指示力選手権
画像生成AI「Midjourney」が今話題になっている。英語で絵の内容やテイストを伝えると、お題に沿った画像を生成するAIで、人間の指示力が問われる。編集部で「AIへの指示力選手権」を開いた - 日本初、 “AI絵画”だけのイラスト集発売 MidjourneyとStable Diffusionで生成した100枚超
画像生成AI「Midjourney」「Stable Diffusion」を使って生成したイラスト100点以上を掲載したイラスト集がインプレスから。 - 画像生成AI「Stable Diffusion」がLINEのチャットbotに 九工大の学生が作成 日本語にも対応
画像生成AI「Stable Diffusion」を使ったLINEのAIチャットbotサービス「お絵描きばりぐっどくん」が公開された。文章を送ることで、AIが画像を生成する。 - 静岡県の水害巡りフェイク画像が拡散 画像生成AIを利用 投稿者はデマと認めるも「ざまあw」と開き直り
台風15号による水害被害が発生している静岡県を巡って、フェイク画像がTwitter上で拡散されている。「ドローンで撮影された静岡県の水害」という画像という画像は、画像生成AIで作成したフェイク画像だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.