Spotify、Podcastの偽情報対策でコンテンツモデレーションのKinzenを買収
SpotifyはコンテンツモデレーションのKinzenを買収した。Podcastやオーディオブックの潜在的なリスクに対処する目的だ。2020年から提携しているが買収することで取り組みを強化する。
スウェーデンSpotifyは10月5日(現地時間)、コンテンツモデレーション技術を手掛けるアイルランドKinzenを買収したと発表した。この買収により、Podcastやオーディオブックを含むオーディオに含まれる偽情報などの問題の対処を強化できるとしている。買収総額などの詳細は公表されていない。
Kinzenは2017年創業のダブリンに拠点を置く非公開企業。機械学習でコンテンツを分析し、潜在的に有害な発言を人間のモデレーターに報告するサービスを提供している。Spotifyとは2020年から既に提携している。
Kinzenは、28カ国語(日本語が含まれるかどうかは不明)でコンテンツ(音声、動画、画像、テキスト)を分析でき、ネットと人間のモデレーターからのデータを使って特定の発言が有害かどうかを判断する。
Spotifyでは人気Podcasterのジョー・ローガン氏の新型コロナウイルスや人種問題に関する不正確な発言が問題になっていた。
同社は6月、コンテンツのモデレーション改善を目指し、第三者によるSafety Advisory Council(安全諮問委員会)を設立した。
Spotifyは発表文で「この買収はプラットフォームの安全性に対する取り組みを拡大し、クリエイターとユーザーに安全で楽しい体験を提供することを、われわれがいかに真剣に考えているかを強調するものだ」とし「安全諮問委員会の立ち上げとともに、この分野でわれわれが取っている積極的なアプローチを示している」と語った。
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