中判でしか撮れない絵がそこにある、ハッセルブラッド「X2D 100C」を試した:荻窪圭のデジカメレビュープラス(8/8 ページ)
この連載では初となるハッセルブラッドである。「X2D 100C」は1億画素センサーを搭載しながら、ボディ内手ブレ補正を持ち、AFも快適で、幅広く使えるカメラなのだ。手にしてみると、これが実に良いのである。
夜の作例として1/8秒で撮ったものを1枚。ISO感度はISO1600。実際にはもっとシャッタースピードを落としても大丈夫だった。
1億画素の大判センサーのカメラで手持ちでスローシャッターとか最高である。
室内の写真も1枚。うちの猫だ。
連写速度はそこまで速くないしAF速度も快適ではあるが爆速ではない。
その分、クオリティに全振りしたカメラなのだ。
そんなカットを2枚ほど最後に。
かくして、ハッセルブラッドのX2Dは今までのハッセルブラッドのイメージ……といっても人によって違うだろうけど、高画質だけど高価でハードルが高い、あるいはスタジオで照明をきちっと計算して撮ったり、三脚をかついで絶景を撮りに行ったりじっくりと作品を撮るためのカメラというイメージがあったんだとしたら、X2Dはそれを覆してくれる印象だ。薄くてコンパクトでグリップもしっかりしててボディ内手ブレ補正ももってて手持ちで美しいスナップを撮るカメラとしてもすごくいい。
そして、なんてことない瞬間でも素晴らしい解像感ででピシッと撮れて前後のボケもいい感じに被写体を浮かび上がらせてくれる魅力的な中判カメラなのだ。中判でしか撮れない絵がそこにある、って感じ。
個人的にはX2Dのボディと新しいレンズのデザインが好み。レンズを合わせると200万円近い価格なのでおいそれとは手を出せないが、これを持ってぶらぶらと撮影に出かけたくなる魔力を持っているのだ。
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