電動キックボードのLuup、飲酒運転対策を強化へ 一部ポートに警備員、アプリ内で注意喚起
電動モビリティのシェアサービスを手掛けるLuupは、電動キックボードの飲酒運転防止の強化策を発表した。アプリの機能改修や、都内のポートの一部で有人での安全啓発活動などを行うという。
電動モビリティのシェアサービスを手掛けるLuup(東京都渋谷区)は10月17日、電動キックボードの飲酒運転防止の強化策を発表した。アプリの機能改修や、都内のポートの一部で有人での安全啓発活動などを行うという。東京海上ホールディングスと連携して実施し、電動キックボードを巡る交通ルールへの理解の浸透を目指す。
Luupのスマートフォンアプリ内で飲酒運転防止を呼び掛ける機能を強化する。これまで電動キックボード乗車前には、飲酒運転の注意喚起画面を表示していたという。今後は内容をアップデートし、飲酒運転が発覚した利用者はアカウントが凍結されることや、法律上の罰則規定があることも知らせるとしている。
また、都内の一部ポートには午後10時から午前6時まで警備員を配置する。対象になるのは、繁華街で酒類を提供し、かつ深夜まで営業する店の多い場所の近くにあるポート。電動キックボード利用者に飲酒の有無の確認や、安全利用のためのガイドブックを配布するという。10月中の週末を中心に一部平日でも実施し、以降不定期に行うとしている。
電動キックボードを巡っては、利用者の男性が9月25日、転倒して頭を強く打ち死亡する事故が発生。男性が乗っていた車両にはヘルメットの着用義務はなく、男性もヘルメットを着けていなかった。また飲酒運転の可能性もあったという。これに対し、Luupは事故の起きた車両が同社のものであったと公表していた。
Luupでは事故以前から、電動キックボード利用のために運転免許証の登録やアプリ上で走行ルールの確認テストの全問正解などを義務付けていた。同社は「今回の事故を重く受け止め、安全性向上に向けた不断の検証を進めていくとともに、飲酒運転の防止や交通ルール順守の取り組みをより一層徹底する」と表明している。
関連記事
- 電動キックボードの理想と現実 「未来のモビリティ」を潰さないために必要なこと
多くの報道では、手軽な移動手段として電動キックボードは人気が高まっているとしている。だがその見方は、東京など都市部だけのものだ。 - 電動キックボード初の死亡事故、車両はLuup 同社が声明 「ルール順守を一層徹底」
電動モビリティのシェアサービスを手掛けるLuupは、同社の電動キックボードの利用者が死亡する交通事故が起きたと発表した。同社から事故原因などは明かしておらず、警察の調査に全面協力する姿勢を見せている。 - 電動キックボードで死亡事故 全国初 ヘルメット着用せず転倒
NHKなどの一部メディアは電動キックボードを運転していた男性(52)が死亡する事故が発生したと報じた。電動キックボードでの死亡事故は全国で初になるという。 - 東京に新しい電動キックボードのシェアサービス 渋谷など8区で展開 韓国から進出
韓国で電動モビリティのシェアリングサービスを展開するSWINGが、日本でのサービス提供を始めた。東京都渋谷区や港区など8区で電動キックボードのシェアリングサービスを提供する。 - 電動キックボード開発者が“免許不要”のリスクを指摘 「後で大きなしっぺ返しが来る」
最高速度が時速20km以下の電動キックボードは16歳以上であれば免許不要で乗車できるようになったが、これについてSNS上ではさまざまな意見が飛び交った。中でも、ある電動キックボード開発者の投稿がTwitter上で話題となっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.