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みんなの銀行、フルクラウド型銀行システムの外部提供開始

みんなの銀行は11月8日、フルクラウド型銀行システムの外部提供を開始すると発表した。自社で利用しているシステムを、銀行事業参入を目指す外部企業に提供する。

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 みんなの銀行は11月8日、フルクラウド型銀行システムの外部提供を開始すると発表した。自社で利用しているシステムを、銀行事業参入を目指す外部企業にAPIを介してサービスとして提供する。

 同社は1年半前の2021年5月に開業。スマホアプリダウンロード数108万、40万口座を持つスマホ専用の銀行だ。銀行システムは、Google Cloud Platform上に勘定系などの基幹部分を乗せ、周辺業務にはAzureやAWSなどを使ったマルチクラウド環境で動作している。


みんなの銀行の永吉健一頭取(右)とIT責任者、宮本昌明執執行役員(左)(みんなの銀行提供)

 一般消費者に向けた銀行事業の提供のほか、企業向けに銀行機能を提供する事業を進めている。手法は大きく3つあり、パートナー専用の支店提供、APIの提供、システムのホワイトレーベル提供だ。

 銀行サービス参入を目指す非金融事業者向けに、フルクラウドの銀行システムのAPI経由でのサービス提供を開始する。みんなの銀行の永吉健一頭取は「金融機関がDXを進める上で、68%がレガシーシステムが制約になっていると課題感を感じている」とし、フルクラウド型の銀行システムの優位性を話した。

 みんなの銀行のIT責任者、宮本昌明執執行役員はシステムの特徴を次のように話した。「すべてクラウドにあって、中身はマイクロサービスの集合体だ。マイクロサービス同士はAPIでつながっている。顧客データを中心として、エコシステムが成り立っている。事務はできる限り自動化を前提とし、銀行特有のセキュリティ機能も最初から組み込まれている」


フルクラウドで動く、みんなの銀行のシステムの特徴

 例えば多くの銀行の災害対応では、稼働するシステムとは別に災害時に備えて待機しているシステムを設ける「アクティブ・スタンバイ」型をとる。一方で、Google Cloud Platformを利用したみんなの銀行のシステムでは、分散型データベースであるCloud Spannerを用いることで、スタンバイシステムが不要となった。

 「1年半で銀行システムを作り上げられたのは、こうしたクラウドがあったから」と宮本氏。今後、クラウドのメリットを生かし、外部への提供を目指す。

 合わせて、銀行内のデータを読み取れる参照系APIの公開を開始した。マネーフォワードが利用を開始し、会計簿ソフトからみんなの銀行の口座情報を取得できるようになる。さらにデータの書き込みが可能な更新系APIの開発も進めており、22年度内に提供を開始する。すでにスーパーマーケットチェーンU.S.M.Hへの提供を予定している。

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