Twitterで「北京」「上海」などを「最新」で検索すると妖しい投稿だらけに
Twitterで「北京」などを検索すると成人向けサービスへのリンクを含む投稿が大量に表示される。中国で「ゼロコロナ」政策への抗議運動が広がる中、関連情報を減らす工作とみられる。Twitterの元従業員はこうした工作には手動で対処してきたと語った。
米Twitterのサービス上で11月27日(現地時間)、多数の中国語アカウントが「北京」「上海」「深セン」などの都市名を含むエスコートサービスなどの成人向けサービスへのリンクを含む大量の投稿を開始したと、米Washington Postが報じた。中国で現在各地に広がっている、習近平指導部による「ゼロコロナ」政策への抗議運動に関する情報の表示を減らすことが目的とみられる。
日本時間の28日午後6時現在、「北京」「上海」などのキーワードを検索し、「最新」タブを表示すると、中国語のエスコートサービスのような投稿が次々と表示され、どんなにスクロールしてもそうした投稿が繰り返されるだけだ。
検索結果を「話題のツイート」タブで表示すると、抗議デモを支援する投稿を表示できた。
Washington Postによると、スパムは数カ月あるいは数年休眠状態だった多数の中国語アカウントによるものという。最近退職したTwitterの従業員は、中国政府関連の疑いのあるアカウントは過去にもこうした手法を使ったとWashington Postに語った。これまでは人間のチームが手動で対処してきたという。Twitterの中国関連の担当者はすべて退社したとこの元従業員は語った。
現在のTwitterの従業員は外部の研究者に対し、問題は認識しており、解決に取り組んでいると語った。
元FacebookのCSO(最高セキュリティ責任者)で現在スタンフォード大学のStanford Internet Observatoryのディレクターを務めるアレックス・スタモス氏は「これは中国での抗議行動への外部からの可視性を低下させるための意図的な攻撃」とデータを示して指摘した。中国国民のほとんどはTwitterを見ることはできない。
本稿執筆現在、イーロン・マスクCEOはこの件については特にツイートしていない。
関連記事
- Twitter、12月2日に青バッジ提供再開とマスクCEO 「つらいが人間が認証する」
Twitterは現在停止中の青バッジ(正式には「青いチェクマーク」)提供を12月2日に再開するとマスクCEOが予告した。なりすまし対策として、チェックマークの付与に際しては「つらいが人間が認証する」とマスク氏。 - TwitterのマスクCEO、「民の声」により凍結アカウントの大量恩赦を開始するとツイート
Twitterのイーロン・マスクCEOは、「来週から凍結アカウントの恩赦を始める」とツイートした。「恩赦」をすべきか否かという投票で7割以上がすべきに投じたためとしている。 - Twitter、契約社員約5500人の8割を予告なし解雇──Platformer報道
Twitterは契約社員約4400人を予告なしに解雇したと報じられた。数日前には従業員約3700人を解雇している(その後一部従業員を呼び戻したと報じられた)。モデレーションへの影響が懸念される。 - Twitterを買収したマスク氏、公平なモデレーションのための評議会を設立するとツイート
Twitterを買収したイーロン・マスク氏は、コンテンツモデレーションのための評議会設立の計画をツイートした。この会が成立するまではアカウントの凍結解除は行わないという。つまり、トランプ前大統領のアカウントがすぐに復活することはなさそうだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.