Twitterを買収したマスク氏、公平なモデレーションのための評議会を設立するとツイート
Twitterを買収したイーロン・マスク氏は、コンテンツモデレーションのための評議会設立の計画をツイートした。この会が成立するまではアカウントの凍結解除は行わないという。つまり、トランプ前大統領のアカウントがすぐに復活することはなさそうだ。
米Twitterを買収したイーロン・マスク氏は10月28日(現地時間)、コンテンツモデレーションのための評議会を設立するとツイートした。多様な視点を持つ委員で構成するという。
この評議会の立ち上げまでは、主要なコンテンツの決定やアカウントの凍結解除は行わないとしている。
マスク氏は4月にTwitter買収の意向を発表した際、コンテンツモデレーションについて「グレイゾーンのツイートは存在させる。論争がある場合は、そのツイートを目立たせる必要はない。ツイートを削除するのは気が進まないし、アカウント凍結にも慎重だ。タイムアウトの方がましだ」と語った。また、5月にはTwitterのオーナーになったらトランプ氏のアカウント凍結を解除すると語った。
こうした発言から、2021年にTwitterが凍結したドナルド・トランプ氏のアカウントを復活させるのではないかなどの懸念が高まっていた。だが、少なくとも今回のツイートで、トランプ氏のアカウントがすぐに凍結解除になることはなさそうだ(もっともトランプ氏は凍結解除になってもTwitterには戻らないと主張している)。
マスク氏は27日には広告主に向けて、「Twitterは嘘にまみれた地獄のような無法地帯にはならない」と、安心して広告を出せるプラットフォームにすると説明した。
Twitterには既に第三者による2016年設立のTwitter Trust & Safety Councilがあるが、これとは別の評議会を設立するつもりのようだ。
マスク氏は、長年コンテンツモデレーションに取り組んできたTwitterの法務・方針・信用・安全担当責任者のビジャヤ・ガッデ氏を解雇したと報じられている。
Twitter同様にプラットフォーム上の偽情報や差別投稿などの対処に苦慮している米Metaには2020年に設立した外部組織「監督委員会」があり、モデレーションの決定を管理していることになっているが、どの程度の権限があるのかは不明だ。
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