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中国で「日本のガソリン車」が再評価、中古市場拡大でリセールバリューに注目:浦上早苗の中国式ニューエコノミー(2/4 ページ)
中国汽車工業協会が発表した1〜11月の自動車販売台数によると、EVなど新エネルギー車の販売台数は600万台を突破。11月単月では新エネ車の販売比率は33.8%に達する。一方、中国の中古車市場の整備が進んでおり、残価率の高さから日本メーカーのガソリン車が再評価されている。
残価率重視でトヨタの人気上昇
中国の21年の中古車取引台数は1758万台で、新車販売台数の2627万台を900万台近く下回る。ただ、自動車保有率の上昇を背景に新車販売は18年ごろから頭打ちになり、政府は中古車市場の活性化に取り組んでいる。
従来は原則として、新車時に省や市など地域内で販売された中古車しか販売できなかったが、今年8月、排ガス基準を満たす小型中古車を対象に、省や市をまたぐ取引制限が撤廃された。また10月には、自動車販売企業が自動車登記の移転手続きを申請する際、臨時のナンバープレートを発行できるようになった。
いずれは、日本のように中古車市場が新車市場を超えると期待されるが、その際重要になるのが残価率(リセールバリュー)だ。10年頃は日本車の中では早期に中国進出した日産自動車の人気が高かったが、近年はトヨタ自動車の残価率の高さが評価され、人気を高めている。
EVとの比較でガソリン車の耐久性をアピールするトヨタの豊田章男社長の発言もしばしば注目され、「トヨタ車は40年乗れる」と主張する中国人ファンもいる。
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