Google、Android向け「プライバシーサンドボックス」のβ提供開始
Googleは、Android向けの「プライバシーサンドボックス」のβ提供を開始した。一部のAndroid 13ユーザーに展開していく計画だ。
米Googleは2月14日(現地時間)、昨年2月に予告したAndroidの「プライバシーサンドボックス」のβ提供を開始すると発表した。
まずはごく一部のユーザーのAndroid 13端末に展開し、段階的に拡大していく。βテスト参加者に選ばれると、通知が届く。
プライバシーサンドボックスとは、ユーザーのプライバシーを守りつつ効果的な広告を表示するための新たな一連のツールだ。Cookieで取得するサードパーティデータをターゲティング広告に利用することに代わる方策として、2019年にWeb向けのツールを発表した。
Android版プライバシーサンドボックスは、昨年4月に早期開発者向けプレビューがリリースされており、米Snap、米Unity、Yahoo! JAPANなどがプレビュープログラムに参加した。
従来の広告ID(ユーザーがリセット可能)をプライバシーを保護するAPIに置き換えることで、サードパーティデータを使わずに、引き続きターゲティング広告を提供できるとしている。
β版テストに参加したユーザーの[設定]画面に「プライバシーサンドボックス」項目が表示されるようになり、ここでプライバシーサンドボックスを有効/無効にできる(下画像左)。ユーザーが使ったアプリに基づいてAndroidが推測した興味ジャンルの候補の画面で、表示してほしくない広告ジャンルをブロックできるようになっている(下画像右)。
Webとモバイルアプリのプライバシーサンドボックスは技術的には異なるが、サードパーティCookie利用からの移行という目的は同じだ。WebでのサードパーティCookieのサポート廃止の目標期日は2024年後半になっている。GoogleはQ&Aで、Android版プライバシーサンドボックスの導入には「少なくとも2年かかると想定している」としている。
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