Google、Androidでも「プライバシーサンドボックス」導入の複数年計画
Googleは、ユーザーのプライバシーを守りつつ効果的な広告を表示するための「プライバシーサンドボックス」をAndroidにも導入する計画を発表した。他のプラットフォーム(Appleを指す)のように代替ツールを提供せずに既存ツールを制限するようなことはしないとしている。
米Googleは2月16日(現地時間)、ユーザーのプライバシーを守りつつ効果的な広告を表示するための「プライバシーサンドボックス」をAndroidにも導入する複数年の計画を発表した。プライバシーサンドボックスは2019年に発表のWebブラウザ向けのイニシアチブで、Webでもまだ導入の途上にある。
Googleはプライバシーを守る広告について、“他のプラットフォーム”のような「開発者や広告主のための既存ツールをただ制限する方法は効果がなく、開発者や広告主には、まず代替の方法を提供しなければならない」と、暗に米AppleのATTを批判した。
プライバシーサンドボックスのChromeブラウザへの導入は、当初2022年中に実施の予定だったが、そのための技術「FloC」への開発者や規制当局からのネガティブなフィードバックを受け、2023年後半まで延期した。その後、FloCに代わる新たな技術「Topics」を発表した。
Androidのプライバシーサンドボックスは、広告IDを含むクロスアプリ識別子なしで動作するという。また、アプリを広告SDKと統合するためのより安全な方法を模索しているという。詳細は専用サイトでアップデートしていく。年内にはSDK Runtimeの最初のβ版をリリースする計画だ。
AppleのATTに抗議している米Meta(旧Facebook)の広告担当幹部のグラハム・マッド氏は、「Googleによるこのアプローチに励まされる。われわれはプライバシーを強化する技術について、彼らや業界全体と協力していくことを楽しみにしている」とツイートし、この動きを支持した。
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