電代業を用いた在邦外国人向けネオバンクサービス「GIG-A」 UI銀行のAPIを活用
エストニアのG-Bank Technologiesは3月1日、在邦外国人に向けた金融サービス「GIG-A」の提供を開始した。外国人は、日本語を使うことなく、スマホから銀行口座の開設や振り込みなどが行えるようになる。
エストニアのG-Bank Technologies傘下のGIG-Aは3月1日、在邦外国人に向けた金融サービス「GIG-A」の提供を開始した。外国人は、日本語を使うことなく、スマホから銀行口座の開設や振り込みなどが行えるようになる。
銀行サービスは、東京きらぼしフィナンシャルグループ傘下のUI銀行のAPIを利用する。自社は免許を持たず、免許を持つ金融事業者のサービスをユーザーに提供する、いわゆるネオバンクだ。
国内では、住信SBIネット銀行などが銀行プラットフォームの外部提供を進めており、銀行免許をもたない事業者による銀行サービス提供が徐々に増えつつある。しかし、通常は銀行代理業のライセンスを用いる。
GIG-Aは今回、銀行代理業ではなく電子決済等代行業(電代業)のライセンスで、ネオバンクサービスを提供する。電代業は、銀行などの金融機関が提供するAPIを用い、口座残高などの情報を取得(参照系API)したり、振り込みなどの指示を行ったり(更新系API)できる。多くは、会計ソフトや家計簿ソフトの提供ベンダーが利用しているライセンスだ。
「銀行代理業のライセンスは、大きな組織でないと取得が難しい。電代業を使い銀行サービスを提供するのは国内初」だと、ラウル・アリギヴィCEOは話す。
GIG−Aは月額1100円でサービスを提供し、振込手数料などもそこに含まれる。銀行口座の開設と解約、入出金、そして国内振込が利用できる。当初Androidでスタートし、3月以降iOSにも対応する。対応言語は英語、ベトナム語と日本語。
今後、決済サービスや国際送金サービスも提供していく考えだ。ユーザーの利用履歴を用いて与信を行い「今後、クレジットカードや自動車ローンも提供したい」(アリギヴィCEO)という。
関連記事
- 第一生命、銀行サービス開始 住信SBI銀と楽天銀行のプラットフォームを利用
第一生命保険は1月11日、資産形成をサポートするサービス「資産形成プラス」および、銀行サービスの提供を開始した。銀行サービスは住信SBIネット銀行および楽天銀行が提供する銀行機能をBaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)として利用する。 - みんなの銀行、フルクラウド型銀行システムの外部提供開始
みんなの銀行は11月8日、フルクラウド型銀行システムの外部提供を開始すると発表した。自社で利用しているシステムを、銀行事業参入を目指す外部企業に提供する。 - 松井証券が銀行サービス提供へ 住信SBIネット銀のNEOBANKを利用
住信SBIネット銀行と松井証券は10月7日、住信SBIネット銀行が提供する「NEOBANK」サービスを用い、松井証券が銀行サービスを提供する検討することで合意したと発表した。松井証券は、証券サービスと連携し自社ブランドでの銀行サービスの提供を目指す。 - 住信SBI、外貨預金3500億円超える ドル定期は金利5%、円安とドル利上げ背景に
住信SBIネット銀行は10月に外貨預金残高が3500億円を超えたことを明らかにした。背景には、2022年に入って急速に進んだ円安と、ドルの高金利がある。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.