「マルチクラウド、どうして始めた?」 2位はコスト最適化、1位は オラクルが国内外で調査
エンタープライズがマルチクラウドを始める理由は──日本オラクルが国内外の企業を対象に調査。最も多かった理由は。
複数のIaaSやPaaSを組み合わせて活用するマルチクラウド。エンタープライズはなぜマルチクラウドを採用するのか──日本オラクルは3月23日、国内外の企業を対象に実施した調査結果を発表した。
マルチクラウド採用の理由として最も多かったのは「自社によるデータの管理・制御/データの局所性(データを集中させアクセスしやすくすること)」(41%)、2番目は「コスト最適化」(40%)、3番目は「ビジネスの高速性とイノベーション」(30%)だった。上位には「ベンダーロックインの回避」(25%)という答えもあった。
日本に限った場合、最も多かったのは「コストの最適化」(44%)で、2番目が「自社によるデータの管理・制御/データの局所性」(33%)。3番目が「ビジネスの俊敏性とイノベーション」(28%)や「規制の対応」(28%)だった。
現在マルチクラウド基盤に最も期待している効果も聞いた。世界では「複数のパブリッククラウドのコスト最適化」(23%)が最も多かった。2番目は「ワークロードやデータの機動性向上」(19%)、3番目は「IT環境全体のリスク緩和」(16%)だった。
日本に限った場合では、「開発者の好みの支援」(23%)が最も多く、2番目は「複数のパブリッククラウドのコスト最適化」(21%)だったという。
将来的に期待する効果も聞いた。世界では「データの冗長化・バックアップ」(54%)が1位に。日本も「データの冗長化・バックアップ」(61%)がトップと同様の結果だった。
一方で、マルチクラウドの活用に課題を感じる企業もいるようだ。現在直面している問題を聞いたところ、最も多いのは「クラウドプロパイダーの管理」(34%)。2番目が「ネットワーク/相互接続性」(30%)、3番目が「データ・ガバナンスの問題」(24%)だった。
一方、日本では「クラウド間でのセキュリティ確保」(39%)がトップに。2番目は「ネットワーク/相互接続性」(33%)、「クラウドプロパイダーの管理」(31%)だった。
調査は2022年の10月から12月にかけて実施した。北米では1500人以上が勤務する企業を、それ以外の日本やブラジル、ドイツといった地域では500人以上が勤務する企業をエンタープライズと定義。対象の企業に勤める人1500人のうち、マルチクラウドを採用していると答えた人(全体の98%)から回答を集めた。
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