映画「名探偵コナン」でネタバレ騒動 公式が「リプ欄の閉鎖も検討した」背景は
14日の公開を前に劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」でネタバレ騒動が発生し、製作委員会が公式Twitterアカウントで声明を発信する事態になった。ただし騒動の舞台は日本ではなく中国のようだ。
4月14日の公開を前に劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」でネタバレ騒動が持ち上がり、製作委員会が公式Twitterアカウントで声明を発信する事態になった。ただし騒動の舞台は日本ではなく中国のようだ。
7日夜、映画公式Twitterアカウントは「名探偵コナンを応援してくださっている皆様へ」と題する文書を掲載した。これによると「4月4日に開催された完成披露試写会以降、公式アカウント及びスタッフ・関係者の投稿へのリプライ、そしてリプライ欄の表示について、多くの方にご意見をいただいた」という。
リプライ欄には日本語と中国語のコメントが入り交じっている。多くの投稿からうかがえるのは、試写会に参加した人が中国のSNSにネタバレ投稿をして現地で大きな騒ぎになったということ。リプライ欄は作品に関する多くの声に加え、ネタバレ行為に対する非難なども混じり一時混沌とした様子だった。
このため製作委員会は一時「リプライ欄の閉鎖も検討した」という。しかし「劇場版の公開を楽しみに待ってくださっているお客様、そして温かな期待を寄せてくださっているお客様が数多くいてくださることを鑑み、現状は、閉鎖せずに現行の運用継続を予定しております」と続けた。この対応が功を奏したか、以後は製作委員会への応援メッセージが増えている。
実は名探偵コナンは中国でも長くテレビ放送していたため多くのファンがいる。視聴スタイルがネットに移行した後も同様で、2015年からは日本での放送から2時間後には中国語の字幕付きで、18年からは中国語の吹替付きで公式の動画配信が多くの配信プラットフォームで行われているほどだ。
映画も同様で、近年は中国のファンのために日本とほぼ同時に中国でも公開するようになった。もっとも、これは中国での海賊版対策やネタバレを防ぐ目的もあるといわれている。
発端となった4日の試写会は、声優の高山みなみさんらも登壇する舞台あいさつイベントを兼ねたもので、一般のファン350組700人が抽選で招待されていた。この場合、ネタバレについては参加者の良識に任せるしかない。
まして日本で催した試写会が国境を越えて騒動に発展する──こんな事態はさすがに想定できなかったか。今回の件について東宝宣伝部に問い合わせたが「公開した文書の他にお話できることはない」としてコメントを避けた。
名探偵コナンは青山剛昌さんの漫画を原作とするアニメシリーズ。テレビ放送はすでに1000回を超える大人気作で、原作コミックスの累計発行部数は全世界で2億7000万部を超えている。
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