Google親会社のAlphabet、増収減益 YouTube広告不調もクラウドは初の黒字
Google親会社Alphabetの1〜3月期決算は前四半期に続けての増収減益。主力の広告が不調でYouTube広告は3四半期連続の減益。クラウド事業はセグメントとして開示するようになって初の黒字になった。
Googleの持株会社である米Alphabetは4月25日(現地時間)、2023年第1四半期(2023年1月〜3月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比3%増の697億8700万ドル、純利益は8%減の150億5100万ドル(1株当たり純利益は1ドル17セント)と、3四半期連続の減益となった。
同社は大規模人員削減とオフィススペースの削減に関するコストとして26億ドルを計上した。
売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は689億ドル、1株当たり純利益は1ドル7セント)は上回った。
セグメント別売上高は、主力の広告全体は0.2%減の545億4800万ドル。広告全体の12%を占めるYouTube広告が3%減と3四半期連続の減少になったが、検索エンジンの売り上げは2%増の403億5900万ドルだった。クラウドサービスは28%増の74億5400万ドルで、営業利益が1億9100万ドル。Alphabetは2020年からクラウドを1つのセグメントとしているが、同セグメントが黒字になったのは初めてだ。
PixelやNest、Chromebookなどのハードウェア、アプリストア、広告以外のYouTubeの売上高などを含む「Google other」の売上高は9%増の74億1300万ドル、Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は35%減の2億8800万ドル(営業損失は12億2500万ドルで、前年同期より約3億9000万ドル増加した)。
AlphabetとGoogleのCEO、スンダー・ピチャイ氏は発表文で「この四半期は検索が好調で、クラウドも勢いを増している。コンピュータサイエンスとAIの分野で重要な製品アップデートを導入した。目標は、ユーザーにとって最も役立つ答えを提供することだ。大きな機会があり、われわれのイノベーションの長い実績を継続している」と語った。
Googleは米OpenAIや米Microsoftに数カ月遅れて2月にAIチャットサービス「Bard」を発表し、3月にβ版を一般公開した。
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