Google、「広告透明性センター」を世界で提供開始 広告主について確認可能に
Googleが検索やYouTubeに表示される広告についてユーザーが確認するための「Ads Transparency Center」の提供を開始した。表示された広告について、広告主の所在地や過去の広告などを確認できる。
米Googleは3月29日(現地時間)、「Ads Transparency Center」をグローバルに立ち上げたと発表した。広告主による広告の内容やターゲティングの詳細を明確にし、ユーザーにとって透明性のある広告体験を提供することが目的としている。
Google検索、YouTube、「発見」タブに表示される広告について、興味はあるが知らないブランドの場合などに、その広告が信頼できるものかどうかをある程度確認できる。
利用するには、Google検索の場合は、検索結果の上部に表示される広告(「スポンサー」と表示されているもの)の右端にある縦の[…]をタップすると「マイアドセンター」が表示される。ここで「他の広告を表示」をタップすると「広告主様のページ」が開き、広告主の正式名や所在地、最新の広告の日付とフォーマット、過去のすべての広告が表示される。
昨年10月に立ち上げた「マイアドセンター」では、特定のトピックやブランドの表示をブロックすることはできたが、Ads Transparency Centerの追加によって、広告主についてより詳しく確認できるようになった。
Googleは同日、2022年の広告安全性レポート(リンク先はPDF)も公開した。昨年1年間で52億件の広告をブロックまたは削除し、43億件以上の広告を制限し、670万件の広告主アカウントを停止したとしている。
Googleにとって今のところ、広告が主要な収益源だが、米国や欧州をはじめとする複数の地域で同社の広告事業をめぐる調査が進行中だ。
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