楽天のKDDIローミング強化で4Gは“非競争領域”に 各社の競争の舞台は5Gへ:房野麻子「モバイル新時代」(1/3 ページ)
「最強プラン」では、auローミングで提供されているパートナー回線エリアでの高速データ容量5GB制限を撤廃し、自社回線エリアと同様、高速通信を制限なく利用できることが最大の特徴だ。これは、5Gに注力したい両社の思惑が一致した結果だともいえる。
楽天モバイルが5月12日、Rakuten UN-LIMIT VIIに代わる新料金プラン「Rakuten最強プラン」を発表した。6月1日からスタートする。楽天モバイルは“ワンプラン”を標榜しており、既存ユーザーにも自動で適用される。
「最強プラン」では、auローミングで提供されているパートナー回線エリアでの高速データ容量5GB制限を撤廃し、自社回線エリアと同様、高速通信を制限なく利用できることが最大の特徴だ。料金は従来と同様、3GB以下の場合は1078円(税込み、以下同)、3GBを超え20GB以下の場合は2178円、20GBを超えた場合はデータ利用量の上限なく3278円で利用できる。
auローミングは基本的に800MHz帯の周波数で提供されており、auネットワークのすべてを利用できるわけではないが、これまで提供されていなかった東名阪の屋外でもローミングが提供され、ローミング提供期間は2026年3月までだったところ同年9月まで延長。楽天のエリアとパートナー回線エリアを合わせた4G人口カバー率は99.9%となり、他キャリアと同等の「業界最高水準」になるとしている。
これによって、今秋と予想される700MHz帯の割り当てを待つことなく、実質的にプラチナバンドのエリアを確保できることになり、楽天モバイルは自社でプラチナバンドのエリアを急いで構築する必要はなくなった。楽天モバイルの三木谷浩史会長も、「可及的速やかに自分たちのネットワークを構築する必要もなくなってきたと考えている」とコメントしている。
「新ローミング契約は財務の安定性に貢献する」
気になるのがコストだ。これまで三木谷氏がことあるごとに「高い」とこぼしていたように、楽天がKDDIに支払うローミング料金は大きな負担となっていた。
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