Google、サードパーティCookie完全廃止に向けて2024年Q1にChromeユーザーの1%で無効に
Googleは、2024年第1四半期にChromeユーザーの1%のサードパーティcookieを無効にすると発表した。また、Chrome 115で、開発者がより広範な規模でプライバシーサンドボックス対応のテストを行えるようにする。Googleは2024年後半のサードパーティcookie完全廃止を目指している。
米Googleは5月18日(現地時間)、サードパーティCookie完全廃止に向けた取り組み「プライバシーサンドボックス」に関する進捗を発表した。2024年第1四半期(1〜3月)にChromeユーザーの1%をプライバシーサンドボックスに移行し、対象者のサードパーティcookieを無効にするとしている。
プライバシーサンドボックスは、サードパーティcookieに代わる、ユーザーに最適化された広告を表示するための取り組み。ユーザー自身が自分の興味や関心を管理することで、個人情報をサードパーティに渡さずに自分に合った広告を表示できるようにするというものだ。
Googleはまた、7月にリリース予定の「Chrome 115」で、開発者がより広範な規模でプライバシーサンドボックス対応のテストを行えるようにすることも発表した。「Topics API」など、幾つかのAPIを使って現在プライバシーサンドボックスのβテストに参加しているユーザーの反応を見ることができるようになる。
提供するAPIについては公式ブログを参照されたい。
Googleは2020年には「2年以内にサードパーティ製cookieを完全に廃止する」としていたが、その目標を何度か延期し、現在は「2024年後半」となっている。
延期の理由の1つは英政府競争規制当局の競争・市場庁(CMA)からの取り組みの改善要請。Googleは、サードパーティcookieの廃止範囲を拡大する前に「CMAと緊密に連携する」としている。
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