楽天カードのクレカ積立 改悪から一転、還元率アップの裏にある狙い(4/4 ページ)
楽天カードを使った投資信託の積み立てのポイント還元率がアップした。しかも、今回は一般楽天カードの場合は0.5%、楽天ゴールドカードの場合は0.75%、楽天プレミアムカードの場合は1.0%と、カードのランクに応じて差が付けられている。こうした施策の背景には何があったのだろうか。
新還元率は「しっかり継続して続けるための設定だ」
しかし、還元率で会員獲得を目指すならば、今回の楽天カードの施策は還元率が少々低いのではないか。最上位の楽天プレミアムカードであっても1.0%で、先の三井住友カード プラチナプリファードの5%と比べると見劣りする。
この点、岩月氏は「しっかり継続して続けるための設定だ」と話す。「ポイント付与の競争になると、継続的な付与ができなくなる。内容によってはお客さまに残念な気持ちを与えることになる。そうならないように設定している」
楽天ゴールドカードや楽天プレミアムカードは、楽天グループの各サービスを利用するユーザーからの評価が高い。楽天プレミアムカードは、年会費1万1000円と高額ながら、楽天市場での購入で2%還元率がアップするという特典も持つ。
「楽天プレミアムカードは総合力が高く、積み立ての還元1%でしっかり戦える」(岩月氏)という考えだ。
実際、コロナが一段落して旅行需要が復活してから、空港ラウンジが利用できるプライオリティ・パスが無料発行される楽天プレミアムカードの評価が上がっている。Twitterの投稿などを見ると、プライオリティ・パスとクレカ積み立ての両方が、楽天プレミアムカード申し込みの決め手になっているようだ。
いずれにせよ、投信積み立てはユーザーも長期的に取り組む運用だ。サービス提供側も、キャンペーン的な一過性の施策ではなく、長期に継続して提供する覚悟が求められる。
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