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「こだわりの味」を再現するために超えた壁、タイガーの「サイフォニスタ」:知らないと損!?業界最前線(4/5 ページ)
自動サイフォン式という珍しさもあって、人気のコーヒーメーカーがタイガー「サイフォニスタ」。なぜ自動コーヒーメーカーでサイフォン式を採用したのか、コーヒーの香りと味の秘訣はどこにあるのか。企画を担当したタイガーの和泉修壮さんに話を聞いた。
美味しさと楽しさを実現した「こだわり」
和泉さんがサイフォニスタの開発でこだわったポイントの1つが、カスタマイズ性だ。入れ方は風味と濃さでそれぞれ3段階ずつ調整でき、さらに抽出中に湯温を切り替える独自の「Dual Temp Brewing Method(2段階温度抽出法)」も搭載。湯温を高温から低温に切り替えることで、雑味を抑えつつ甘みなども引き出すことができる。これらを組み合わせると、同じコーヒー豆も10通りのコーヒーを抽出できる。
「10通りの味が出せるコーヒーメーカーは、多分ほかにないだろうと思います。『Dual Temp Brewing Method(2段階温度抽出法)』を搭載するかどうかはすごく悩みましたが、結果的にプロの方々に評価してもらえてうれしかったです。ちょっと自信が持てました(笑)」(和泉さん)
サイフォニスタでは、抽出したコーヒーはシリンダーの中に貯まる。あとはシリンダーの右側にコーヒーカップを置いて、ユーザーがレバーを引いて注ぐ仕組み。注ぐボタンを付けるアイデアもあったそうだが、そこは機械が出しゃばるのではなく、自分の手で完結してもらうことを大事にしたそうだ。
こうして完成した「サイフォニスタ」は、タイガー初の高級コーヒーメーカーとして、北米市場攻略の尖兵に指名された。
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