「ペダル付き特定原付」は走行した時点で道交法違反になる可能性 業界団体が注意喚起
JEMPAは「ペダル付き特定小型原動機付自転車」をうたい、インターネット上で販売されている一部の車両は道路交通法上の特定原付の基準を満たさないと注意喚起した。
電動モビリティメーカーなどでつくる業界団体・日本電動モビリティ推進協会(JEMPA)は、「ペダル付き特定小型原動機付自転車」をうたい、インターネット上で販売されている一部の車両は道路交通法上の特定原付の基準を満たさないと注意喚起している。公道を走行した場合、警察の取り締まりの対象になるという。
特定小型原動機付自転車(特定原付)は、7月1日に施行される改正道路交通法で新しくできる車両区分。主に電動キックボードを想定し、最高速度が時速20km以下で、保安基準などの条件を満たしていれば16歳以上なら免許不要で乗車できる。
自転車タイプの車体でも条件を満たせば特定原付に分類される。ただし、JEMPAはこの車両区分について「車体の構造上、時速20kmを超える速度を出すことができないことが求められている」と指摘する。
JEMPAが警察庁に確認したところ「最高速度が時速20km以下」とは、「ペダルによる人力走行を行った場合でも時速20kmを超えることができてはならない」という回答だったという。しかしペダルが付いていて制限なく人力走行ができる車両は容易に時速20kmを超えてしまう。
一部のECサイトでは「ペダル付き特定小型原動機付自転車」をうたう車両が販売されているが、JEMPAは「仮に道路運送車両法における特定原付の保安基準を満たし、性能等確認済みのステッカーやナンバープレートの交付を受けたとしても、走行した時点で道路交通法違反となり、警察による交通取り締まりの対象になる」と警鐘を鳴らす。免許やヘルメットが必要な一般原動機付自転車に該当するためだ。
「道路交通法違反は、運転する人の責任。特定原付は運転免許不要で乗れる新しいモビリティであるため、交通違反通告制度の対象ではなく、反則金や違反点数の加点などの軽減措置を受けられないので軽微な違反でも行政処分および刑事処分の対象(前科)となる」(JEMPA)
一方で「時速20km以下」という条件が原動機以外の構造(=人力走行のペダル)まで対象になることが周知されているとはいえない状況だ。警察庁のWebサイトで検索しても明確な記述は見つけられなかった(6月27日時点)。JEMPAは「6月22日に行われた官民協議会で警察庁に確認している。議事録の公開も検討している」と周知に努める考えを示した。
JEMPAは、特定小型原付を始めとする電動モビリティの普及を目指し、メーカーやそれを運用する事業者で構成される一般社団法人。電動モビリティメーカー・glafitの鳴海禎造CEOが理事長を務め、同じくメーカーのFreeMile、電動キックボード専門店を展開するSWALLOWなど15社が会員になっている。
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