Microsoft、法人向け「Bing Chat Enterprise」発表 正式版はユーザー当たり月額5ドルに
Microsoftは2月から提供している「新しいBing」の法人版「Bing Chat Enterprise」を発表した。同日からプレビュー版を法人版「Microsoft 365」ユーザーに無償提供するが、正規版はユーザー当たり月額5ドルにする計画だ。
米Microsoftは7月18日(現地時間)、パートナー企業向け年次イベント「Microsoft Inspire」で、「新しいBing」の法人版「Bing Chat Enterprise」を発表した。同日プレビュー版をリリースした。Microsoft 365 E3、E5、Business Standard、Business Premiumの顧客は追加料金なしでプレビュー版を利用できる。
正規版はスタンドアロン製品として、ユーザー1人当たり月額5ドルで提供する計画だ。正規版のリリースについては向こう数カ月以内に発表するとしている。
法人向けMicrosoft 365のユーザーは同日から、職場のアカウントを使ってBing.comやEdgeのサイドバーからBing Chat Enterpriseにアクセスできる。将来的には、Windows Copilotからもアクセスできるようになる見込み。
「新しいBing」と同様に、Webデータに基づいて、テキスト、グラフィック、チャート、画像などを含む回答を提供する。
「2月に新しいBingを発表して以来、企業顧客から自社のデータが保護されないのではないかという多数の懸念の声があった」ので、商用データ保護が必要な業務用のAIを活用したEnterprise版を提供することになったとしている。
「ユーザーとビジネスのデータは保護され、組織外に漏えいすることはない。入力データも出力データも保護され、チャットは保存されず、Microsoftもアクセスできない。データがモデルのトレーニングに使われることもない」とMicrosoftは説明する。
Microsoftは同日、「Microsoft 365 Copilot」の正式版の価格を1ユーザー当たり月額30ドルにすることも発表した。
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