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本当に550万円で1LDKの家ができるの? 3Dプリンター住宅の素朴な疑問をメーカーに聞いた:知らないと損!?業界最前線(4/5 ページ)
「住宅」の常識が変わろうとしている。建築用3Dプリンターによって、50平米の住宅を550万円で実現するセレンディクス。550万円でどこまでできるのか、通常の住宅と何が違うのか。3Dプリンター住宅における素朴な疑問を小間裕康代表取締役に聞いた。
低価格化の理由は構造材と人件費
同社が驚くほど安く家を造れる理由はもちろん、ロボットで壁などの躯体を造れる点だ。しかも壁だけでなく、屋根も造れる技術がある。具体的には3Dプリンターで躯体を出力した後、CNCカッターで造形することで屋根を実現している。一般的な住宅造りにおいては屋根の設計・施工費がかなり高いため、ここを効率化することで、大幅にコストカットできるというわけだ。
家が組み上がっていく様子(セレンディクスのプレスリリースより)
そして、もう1つの安さの理由が人件費だ。壁や屋根などの構造物は、ロボットが工場で造るため、現場では基本的に組み立てるだけになる。現場での製造期間を非常に短くできる結果、その分の人件費がカットできる。
serendix50の場合、愛知県小牧市に竣工した例では、現場での組み立てに要した時間は述べ44時間30分。現場での建築期間としては、約1週間で家ができることになる。一般的な住宅が3〜6カ月かかることを考えると大きな差になってくる。
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