大手商社「双日」元社員を逮捕 前職「兼松」から機密情報を不正に持ち出した容疑
大手総合商社の双日の元社員が9月28日、不正競争防止法違反の容疑で警視庁に逮捕された。前職で勤めていた総合商社の兼松から機密情報を不正に持ち出した容疑。
大手総合商社の双日の元社員が9月28日、不正競争防止法違反の容疑で警視庁に逮捕された。前職で勤めていた総合商社の兼松から機密情報を不正に持ち出した容疑。双日は顧客や株主などに謝罪した上で、情報の持ち出しを指示したり、事業に不正に用いたりといった組織的関与について「把握していない」と説明している。
TBSなどの報道によると、逮捕された男性は2022年7月、兼松が管理する海外の自動車部品メーカーに向けた新製品の提案書や採算表など、営業秘密を含むデータファイル3件を不正に取得した疑いがあるという。男性は、元同僚の女性派遣社員に対して「海外出張先の飲食店リストが欲しい」とうその説明をして、サーバへ接続するために必要なIDなどを聞き出し犯行に及んだとしている。
他にも、転職直前に3万7000件以上のファイルをダウンロードし、転職後に利用していた可能性もあり、警視庁は捜査を進めているとしている。
双日は元社員の逮捕について「極めて遺憾である」と声明を発表。中途入社の社員には前職で知り得た機密情報を持ち込まない誓約書を書かせるなど未然防止策を講じていると説明。再発防止策に取り組みつつ、警視庁の捜査に全目的に協力すると表明した。
兼松もこの件に対する声明を発表しており「元従業員が22年6月に退職した後、社内調査によって元従業員が営業秘密を不正に取得した疑いがあることを把握した。直ちに警視庁に相談し、捜査に全面的に協力してきた」という。28日時点では、元従業員による営業秘密の不正利用や第三者に対する漏えいなどは確認していない。なお、公判への影響も配慮し、詳細の公表は控えるとしている。
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