新型「ルンバ」使って分かった自動化レベル向上と安心感の理由 自動給水も可能に:知らないと損!?業界最前線(4/5 ページ)
ロボット掃除機市場をけん引するアイロボットのルンバシリーズに、複数の新機能が搭載された新フラグシップモデル「ルンバ コンボ j9+」が登場した。実際に製品を借りて進化点を検証したので、最新ロボット掃除機の考察とともに紹介したい。
カメラで障害物を回避、給水も30日不要に
ルンバ コンボ j9+は本体前方にカメラを搭載し、障害物の認識と回避が可能。実際にケーブルの束やペットの糞(を模したもの)などを床に置いてみたがしっかりと回避できた。10数回のテストで走行エラーとなったのは椅子の下に落ちていた新聞紙を吸い込んでしまった1回だけと非常に優秀だった。
テスト環境が狭いこともあるが、キッチン、リビングの掃除は概ね満足。何より水拭き掃除によって、フローリングのべたつきやざらつきがなくなるのは非常に快適だった。
掃除が終わると自動的にクリーンベースに戻り、本体が集めたゴミをクリーンベースが吸引する。クリーンベースに集められたゴミは、部屋の広さなどにもよるが、最大1年間分を溜めておけるという。本体への給水はアプリで操作もできるが基本的には自動で行うため。クリーンベースの水タンクを満タンにしておけば、約30日間は給水が不要となる。それ以外の手入れはモップパッドを外して洗うだけだ。
このモップパッドを洗うのはやや面倒だが、モップの自動洗浄ができるタイプのロボット掃除機の場合、モップを洗った排水の処理が発生する。個人的にはこの排水の処理が臭くてイヤだったので、モップパッドを洗う方が楽だと感じた。モップパッドが標準で2つ付属しており、交互に使えるのもいい。
日本国内のロボット掃除機市場は現在、ルンバ以外はほとんどが中国メーカーの製品となっている。国内メーカーの製品も一部が市場に残っているものの最新モデルとはいいがたい。つまり選択肢はルンバか、中国メーカーのロボット掃除機かだ。
このときに気になるのが、カメラ付きの上位モデルを選ぶ場合のセキュリティだ。障害物をカメラで認識し、部屋はマッピングするということは膨大な室内の情報が撮影されるということだ。もちろん、これらの映像は外に流出しないように設計されているが、セキュリティリスクを考えると、ルンバには安心感がある。
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