オタ恋のカップル、動く 公式が“AI動画”投稿 「今後は動画広告も展開していく」
恋愛マッチングアプリ「オタ恋」が掲載した“AI動画”が話題だ。これまで「絵面が濃いオタクカップル」のAI画像を広告に起用しSNS上で人気を得ていたが、今回投稿した動画ではそれらのカップルが動く様子を確認できる。
オタク同士の出会いを支援する恋愛マッチングアプリ「オタ恋」が掲載した“AI動画広告”が話題だ。同アプリはこれまでAIで生成した「絵面が濃いオタクカップル」の画像を広告に活用しSNS上で人気を得ていた。今回投稿した動画では、オタクカップルが動く様子を確認できる。
オタ恋がAI動画による広告をX(旧Twitter)に掲載し始めたのは11月30日。15秒ほどの動画で、AIで作成した女性モデルが複数人登場し、それぞれが約5秒ずつ動いた後、キャッチコピーの「はじめてのマッチングアプリは オタ恋」を表示して締めている。12月4日には、AIで生成した男性が登場する動画も公開した。
動画に対し、SNSユーザーからは「ついに動いた!!!」「広告の担当、生成AIのトレンドを押さえて使いこなそうとしていてシンプルに感心する」「マッチングアプリとしてじゃなく、AIの進化を見る広告になってる」など、広告への注目度がうかがえる意見が見られた。一方、「やっぱり生成系AIの(現状)一番の難点は、同一性だろう」など、問題点を指摘する声もあった
動画の掲載について、運営会社であるエイチエムシステムズ(東京都新宿区)に話を聞いたところ「今後はAIで作成した動画も広告として展開していく」と話した。画像生成AI「Stable Diffusion」でアニメを生成できるようになる拡張機能「AnimateDiff」を導入し、作成したという。
「現在は5秒程度の短い動画しか作成できないのでつないで15秒に見せているが、今後長尺で安定して作成できるツールがリリースされれば1分〜5分の動画にもチャレンジしてみたい」(同社)
オタ恋は2022年11月にサービスを開始。23年5月から画像生成AIを使った広告を展開している。広告効果については、ITmedia NEWSの取材に対し「男性は1.5〜2倍程度、女性は3〜7倍程度、入会者が増加した」(10月時点)と話していた。
その後の入会者数の推移を聞くと「X上でかなりバズった事で認知度が上がりオーガニック(口コミ)での入会者数が増えました。女性の入会者数も比例して増加しています」と、引き続き増加傾向であると語った。ただし詳細なデータは公開していない。
関連記事
- 「このカップル、絵面が濃い」──オタ恋の“AI広告”が話題 運営「女性入会者数が3〜7倍増えた」 そのワケは
肥満体形の男性と、女性のツーショット写真──そんな画像広告を展開するマッチングアプリ「オタ恋」のAI広告が話題だ。この広告掲載後には、男性は1.5〜2倍程度、女性は3〜7倍程度、入会者が増加したという。 - 「できるだけ多くのGPU提供」を要請 岸田首相、NVIDIAフアンCEOと面会
米半導体大手NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は12月4日、岸田文雄首相と面会し、首相から日本国内での「できるだけ多くの」GPUの提供を要請されたと明らかにした。フアン氏は「できる限り提供できるようにしていきたい」と答えた。面会後、官邸で記者団に述べた。 - TBS「サンデーモーニング」がAI画像巡り誤報 生成AI製“偽画像”を紹介→実は約10年前から存在
TBSは、テレビ番組「サンデーモーニング」で放送した生成AIに関する映像に誤りがあったとして謝罪した。 - Stability AI、テキスト→動画の「Stable Video Diffusion」をGitHubで公開
Stability AIは、テキストから動画を生成するAIモデル「Stable Video Diffusion」のリサーチプレビュー版をGitHubで公開した。テキスト入力のためのWebツールを入手するにはウェイティングリストに登録する必要がある。 - 女性声優の“存在しない”水着画像をAIで作成、販売……法的に問題ないの? 弁護士に聞いた
実在する人物に似た画像をAIで生成し、それを販売する事例が現れた。顔は女性声優や女優などを模しているようで、水着などを着せている。著名人を模したAI画像やそれを作成できるAIモデルの売買について、法的に問題はないのだろうか。弁護士に聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.