「最古の穴なし槽洗濯機」公開で売上二桁アップ、シャープに聞くオンリーワン技術の生かし方:知らないと損!?業界最前線(3/4 ページ)
縦型洗濯機のなかでも、カビが衣類に付着しにくいシャープの「穴なし槽」は一部ユーザーから強い支持を集めている。穴なし槽の30周年企画として、家庭で利用されてきた初代穴なし槽洗濯機の汚れを検証したところ、かなりきれいだったことが判明。この検証結果と、穴なし槽のこれからについて話を聞いた。
30年前に作られた初代穴なし槽との対面
穴なし槽洗濯機の発売以降シャープでは、節水性の高さと黒カビ対策ができることを長く訴求してきた。しかし“本当に長く使っても洗濯槽はきれいなままなのか”という疑問が湧いた。そこで穴なし槽の30周年に、穴なし槽洗濯機の清潔さを検証するキャンペーンを実施。Xにて「最古の穴なし槽洗濯機」を探すポストをして、実際にユーザーが使っている穴なし槽洗濯機を探すことにした。
その結果、数多くの古い穴なし槽洗濯機が見つかった。そして、いち早く連絡をくれたユーザー宅にあった、穴なし槽の初代モデル「ES-BE65」が検証のためにシャープの工場に運ばれた。
「キャンペーンでは予想以上の反響をいただきました。発売から30年が経っているのでさすがに初代はないだろうと思っていたのですが、それが無事に見つかったのです。実際に分解する様子や検証の結果はWebサイトやYouTubeで公開しているのですが、かなりきれいで驚きました」(シャープ Smart Appliances & Solutions事業本部 清潔ランドリー事業部 国内商品企画部 主任 古本佳慧さん)
今回検証した「ES-BE65」の利用頻度は、当初5年は週3〜4回、その後は週1回だったそうだ。さらに購入してから30年間、特にメンテナンスはしていなかったという。
しかし、実際に分解してみると30年経ったとは思えない状態の洗濯槽が現れた。本体上部の穴の周りに汚れは見られたが、樹脂(初代モデルのみ樹脂性の洗濯槽を採用)の溝部分にも汚れは付着していなかった。
さらにシャープでは、男性独身寮にあった2005年モデルの通常タイプの縦型洗濯機も同時に分解。すると洗濯槽の外側にはたっぷりと黒カビが付着していた。
「通常の洗濯槽の外側は、下部は常に水に浸かるんですが、上側にはあまり水が届かないのでカビが繁殖しやすくなるんです」(北川さん)
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