フリーランスになって初の「確定申告」やってみた “SaaSで申告”は楽にできるのか?(前編)(3/3 ページ)
確定申告の季節がやってきた。筆者はこれまでも、ふるさと納税や医療費控除などのために毎年確定申告をやってきたが、今回は一味違う。2023年夏に、勤め先であったアイティメディア社を退職してフリーランスとなったからだ。
請求書発行は「Misoca」を利用
続いて準備しておきたいのが、請求書発行SaaSだ。インボイス制度のスタートもあり「請求書を送ってくれ」という取引先は多い。請求書はExcelなどで作成してPDF化しメールで送信してもいいが、正直手間だ。請求額の管理などを行うためにも、SaaSを使うのが便利。
筆者が選んだのは、弥生が運営するMisocaだ。最大の特徴は、請求書を月間10通までは無料で利用できること。高機能な請求書発行ツールはいろいろとあるが、正直自営フリーランスならそこまで高機能さはいらない。寄稿先だって月に10社もあれば十分だ。
有料のSaaSも含めていくつか試してみたが、Misocaで特に気に入ったのは取引先の情報入力の補助機能だ。取引先を登録するときには、社名、法人番号、住所などを一つひとつ入力していく必要がある。ところがMisocaは取引先名を入力すると、国税庁の法人情報データベースを参照して法人候補を表示。そこから選択すれば、法人番号や住所などを自動的に入力してくれるのだ。
使ってみれば、この素晴らしさは実感できるのに、Misoca以外でこの機能を持ったSaaSを見たことがない。非常に素晴らしい機能だと思う。
また請求書を作成するときには、源泉徴収額を自動計算して請求書に記載することもできる。これを載せておかないと、請求額と入金額が一致しないので、意外と大事だと思う。また源泉徴収額は確定申告の際にそこそこ面倒な情報なので、こうやって自分の手元でも数字を把握できるようにしておくと便利だ。
Misocaは源泉徴収額を自動計算して請求書に掲載することもできる。フリーランスで報酬から源泉徴収されるのは、「原稿料、講演料、デザイン料」「士業の報酬」「プロの運動選手、モデル、外交員」「芸能人」「コンパニオン、ホステス」あたりが相当する
ただMisocaのデータを連携できる会計ソフトは、弥生会計シリーズとfreeeの2つだけ。これが後ほど少々厄介なことにつながるのだった。
(後編につづく)
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