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第2の月「ミニムーン」、期間限定で出現 9月29日から11月25日まで地球を周回 スペインの研究者が発表Innovative Tech

スペインのマドリード・コンプルテンセ大学に所属する研究者らは、9〜11月の約2カ月間、地球が小型の天体を一時的に捕獲し「ミニムーン現象」を引き起こすことを示した研究報告を発表した。

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Innovative Tech:

このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

X: @shiropen2

 スペインのマドリード・コンプルテンセ大学に所属する研究者らが発表した論文「A Two-month Mini-moon: 2024 PT5 Captured by Earth from September to November」は、9〜11月の約2カ月間、地球が小型の天体を一時的に捕獲し、ミニムーン現象を引き起こすことを示した研究報告である。


第2の月「ミニムーン」、期間限定で出現

 時々、空を横切る流星、明るい彗星、通り過ぎる小惑星など、それらを目にすることがあるが、まれに地球はこれらの小惑星の1つを一時的につかみ、もう少し長く地球の周りに保つことがある。地球が一時的に引き寄せる小惑星のことを「ミニムーン」と呼び、第2の月などとも呼ばれる。それぞれに名前も付いており、今回引き寄せられる天体は「2024 PT5」と命名された。

 2024 PT5は8月7日、小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)が発見した。この天体の大きさは約10mと推定され、これは過去に観測された他のミニムーン(2020 CD3、2006 RH120、1991 VG、2022 NX1など)よりも大きいが、肉眼で見るのは難しいとされている。

 研究者たちが2024 PT5の軌道を分析した結果、9月29日午後8時2分(世界時)に地球の重力に捕捉され、56.6日後の11月25日午前10時33分(世界時)に再び太陽周回軌道に戻ることが判明。この期間中、2024 PT5は馬蹄形(U字型)の軌道を描きながら地球のミニムーンとして振る舞う。

 2024 PT5は、アルジュナ群と呼ばれる地球軌道付近の小惑星群に属するもので、人工物ではなく自然の天体である可能性が高いとされている。2024 PT5はミニムーン現象の後、2025年1月9日に再度地球に接近し、その後、地球近傍から離れ、2055年に再度接近すると予測されている。


この研究に関する論文

Source and Image Credits: Carlos de la Fuente Marcos and Raul de la Fuente Marcos. A Two-month Mini-moon: 2024 PT5 Captured by Earth from September to November. 2024 Res. Notes AAS 8 224 



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