ラッコのライブカメラにも“カスハラ” 鳥羽水族館が声明 配信内容を一部変更、従業員にモザイク処理
鳥羽水族館は、YouTubeで配信中の「鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ」について声明を発表した。給餌中、動画に映る従業員に対して、一部のユーザーから過度な言動などの行為を確認。動画中の従業員にモザイク処理を施すと決めた。
鳥羽水族館は10月15日、YouTubeで配信中の「鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ」について声明を発表した。給餌中、動画に映る従業員に対して、一部のユーザーから過度な言動や不適切な問い合わせを確認しているという。鳥羽水族館はこれについて、カスタマーハラスメント(カスハラ)に該当するとし、動画中の従業員にモザイク処理を施すと決めた。
鳥羽水族館では2024年4月から、ラッコの水槽のライブカメラで配信している。従来は、ラッコたちと従業員のコミュニケーションも動画の魅力の一つと考えて、従業員にもモザイクは付けていなかった。しかし今回発生したカスハラ行為によって、従業員の個人の尊厳や安全を脅かされると判断し、動画から個人を特定できないようにする。
「今後も、動画を通じてラッコたちの姿をお届けするという基本方針は変わりません。今回の変更は、視聴者の方々とスタッフ双方にとって、安全で健全なコミュニティーを維持するための判断であることを、何とぞご理解いただけますようお願い申し上げます」(鳥羽水族館)
この発表をする2週間前、鳥羽水族館は新たに「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定していた。発表文によると、一部の利用者が従業員に対して、常識の範囲を超える要求や言動を取っていたという。鳥羽水族館は「スタッフの尊厳を傷つけ、職場環境を悪化させる重大な問題」と述べ、カスハラには厳正に対処するとし、必要に応じて法的措置も取ると示している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
メルカリ、SNS上で従業員にハラスメント行為を繰り返していた人物が書類送検されたと公表
フリマアプリ大手のメルカリは21日、従業員に対してSNS上で誹謗中傷などのハラスメント行為を繰り返していた人物について、警察に告訴状が受理され、書類送検されたと明らかにした。
「カスハラ通報アプリ」セコムが開発 ワンタップで録音スタート→リアルタイムで上司に共有
セコムは8月27日、従業員がカスタマーハラスメントを受けた際に上司などに通報できる、iPhone/Apple Watch向けの専用アプリを開発したと発表した。10月から実証実験を始め、2026年7月の提供開始を目指すとしている。
カプコン、カスハラ対応方針を発表 「モンハンワイルズ」の“レビュー過激化”をけん制か
カプコンは、カスタマーハラスメントへの対応方針を発表した。
従業員の個人情報、SNS公開しないで――スタバ、「カスハラ対応方針」発表
スターバックス コーヒー ジャパンは4月3日、「カスタマーハラスメント対応方針」を策定したと発表した。従業員の安全な就労環境を守ることが目的だとしている。
スクエニ、カスハラ対応方針を明示 悪質な場合は「法的措置や刑事手続を含む対処を」
スクウェア・エニックスは10日、「カスタマーハラスメントに対する対応方針」を公開した。

