GoogleとEpic Games、独禁法訴訟で和解案に合意 Androidエコシステム刷新へ
GoogleとEpic Gamesが5年にわたる独禁法訴訟で和解案に達したと発表した。2023年の評決を受け、Androidエコシステムを刷新する内容だ。サードパーティストアのグローバル登録や手数料上限設定、代替決済の許可などが盛り込まれ、救済策は2032年まで続く。今後、裁判所の承認が必要となる。
米Googleと米Epic Gamesは11月5日(現地時間)、Androidアプリストアをめぐる5年にわたる独占禁止法訴訟で和解案に達したと発表した。
この和解は、2023年12月に下されたGoogleが違法な独占状態にあるとする陪審員評決を受けたもので、GoogleがAndroidのエコシステム全体を刷新する内容を含んでいる。
この訴訟の発端は、Epic Gamesが2008年に、Androidアプリストアの競争環境について、Googleが独占的な地位にあると申し立てたことにある。裁判所は、Googleが自社の決済システムにアプリストアを違法に結びつけていると陪審が認定したことを受け、開発者に対しGoogle Play Billingの使用を義務付けることを停止する差止命令を出した。しかし、この差止命令は米国内にのみ適用され、期間も3年間と限定的であり、Googleがアプリストアの手数料としていくら請求するかについては変更がなかった。Epicは、この既存の差止命令の救済策は米国の領土範囲に限定されていたため、Google Playストアのグローバルな展開に対抗するために必要な規模を競合アプリストアが構築することは依然として困難だと主張していた。
今回の和解案は、Androidプラットフォーム上での競争を強化する多くの措置を含んでいる。まず、この和解によって実現する救済策の多くはより長いもので、2032年6月30日まで続く。
措置の1つとしてGoogleは、サードパーティがアプリストアをGoogleに「登録済みアプリストア」として登録でき、ユーザーがサードパーティのWebサイトからシームレスにアプリをインストールできるように、将来のAndroid OSを変更することに同意した。この「登録済みアプリストア」プログラムは、米国だけでなく、グローバルに適用されることになる。
さらに、デジタル取引におけるサービス手数料について、Googleは取引の種類やアプリの初回インストール時期に応じて、最大で9%または20%とする手数料の上限を設定することに同意した。
また、開発者は、Google Play Billingだけでなく、代替のアプリ内支払いオプションや外部のWebサイトへのリンクを介した支払いオプションもユーザーに提供することが許可され、代替決済オプションをGoogle Play Billingと並列に表示し、それぞれ異なる価格や特典を示すことができるようになる。
この和解案について、GoogleのAndroid担当社長のサミール・サマット氏はXで、Epic Gamesと共に提出した変更案が「開発者の選択肢と柔軟性を拡大し、手数料を引き下げ、より多くの競争を促すことに焦点を当てている」とし、「承認されれば、私たちの訴訟は解決するだろう」と語った。
一方、Epicのティム・スウィーニーCEOはXで、この提案は「Androidの本来のビジョンであるオープンなプラットフォームを真に強化する」ものであり、競合するアプリストアのインストールを合理化し、開発者のサービス手数料を削減し、サードパーティのアプリ内およびWeb決済を可能にすると評価した。さらに、この提案は米Appleのモデルとは対照的な「包括的な解決策」であると語った。
ただし、この和解が最終的な解決となるには、裁判所による承認が必要だ。両社はこの提案について11月6日に裁判官とさらに議論する予定だ。この包括的な和解の合意は、「状況の重大な変化」を構成し、裁判所が既存の差止命令を修正することを正当化するものだ。この和解は、EpicとGoogle間の長年にわたる係争を終結させることを目的としているが、和解の成立は、裁判所が修正された恒久的な差止命令を承認することなど、いくつかの前提条件を満たす必要がある。
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