AIボイレコ「Plaud Note Pro」、GPT-5で多次元要約 厚さ3mmでも指向性収音を実現 使って分かった魅力と課題:“メモ革命”を起こしたAIガジェット「Plaud Note」が大進化
新しい“AIガジェット”が登場した。AIボイスレコーダー「Plaud Note Pro」だ。録音と文字起こしに特化させることで、仕事で使えるクオリティーを実現。名刺サイズの録音デバイスは約30グラムと軽量で持ち運びしやすく、文字起こしには「Microsoft Azure」を採用。要約用のAIモデルは、OpenAIの「GPT-5」やGoogleの「Gemini 2.5 Pro」などからユーザーが選択できる。
洗練されたデザインのデバイスと高機能なソフトウェアを見事に融合させたPlaud Note Pro。前モデル「Plaud Note」「Plaud NotePin」は累計100万台以上を出荷するヒット商品となっており、そこからさらに進化して「プロ」の名を冠するにふさわしいAIガジェットになった。実機を使ってみると、新たなAI機能は思わず声が漏れる完成度だ。本体価格は3万800円。その実力をレビューする。
クレカ3枚分の小型レコーダーに詰め込まれた録音技術
新しいガジェットを手にしたときはワクワクするものだ。黒い化粧箱を開けると、中央にPlaud Note Proの本体デバイスが収まっている。開けた瞬間に「これはカッコいい」とうなった。デバイスを手に取ると、その軽さに驚く。重さは約30グラムで、10円玉6〜7枚と同じくらいだ。厚さは約3mmのため、クレジットカードを3枚重ねるとほぼ同じ大きさ、厚さになる。普段使っている名刺ケースよりも小さくて軽いため、持ち運びに困ることはないだろう。
Plaud Note Proは「議事録の常識を打ち破る、最先端AIボイスレコーダー」というキャッチコピーを掲げている。「AI文字起こしサービス」は世の中に多数あり、各サービスとも機能や精度は申し分ない。それでもPlaudシリーズが支持されるのは、ハードウェアとソフトウェアがセットになっていることで高い利便性を発揮しているからだ。
Plaud Note Proは、本体デバイスに搭載された4基の「MEMSマイクアレイ」で特定の方向の音を強調したりノイズを低減したりする。AI処理を利用した「指向性音声収音技術」を組み込んでいるため5メートル先の音声をしっかり拾えるといい、広い会議室や雑多な場所で重宝するだろう。
コンパクトなデバイスながら64GBのストレージを備えている。バッテリーは500ミリアンペア時(mAh)で、長時間駆動モードなら最大50時間の連続録音が可能。スタンバイモードにすれば最大60日充電しなくてもバッテリーが持つ。充電コードはデバイス側が独自コネクタで、もう片方がUSB Type-CポートになっておりPCやスマホからの給電にも対応している。バッテリーが長持ちする上にスマホから給電できるため日常使いしやすそうだ。
録音開始/終了は、デバイス上部のボタンで操作する。有機ELの「AMOLEDディスプレイ」を備えており、録音状態やファイル転送、バッテリー残量などのステータスが表示される。
デバイスを収納する合皮製のケースが付属している。同梱(どうこん)されている「マグネットリング」をスマホの背面に取り付ければ、Plaud Note Proをスマートフォンに装着可能だ。iPhoneの「MagSafe」アクセサリーに近い。スマホの背面にPlaud Note Proを付けた状態で通話を録音できるマイクを備えている。対面録音と通話録音を自動で切り替える「スマートデュアルモード」があるため、急に電話がかかってきてもスムーズに対応可能だ。
使って分かった便利機能と課題
Plaud Note Proは、本体デバイスで録音したデータをスマホアプリに転送して文字起こしする仕組みだ。これまでのように「レコーダーをセットして録音し、データをPCに取り込んで聞き直す」といった操作は要らない。本体デバイスのボタンを押せば録音が始まり、録音終了と同時にスマホへのデータ転送が開始される。
録音の確認や文字起こしなどは「Plaudアプリ」を使う。外出先ではスマホアプリを使い、帰社後はWebブラウザ版で作業に集中するといった使い方が可能だ。
文字起こしや要約を担うソフトウェアが「Plaud Intelligence」だ。GPT-5やGoogleの「Gemini 2.5 Pro」、Anthropicの「Claude Sonnet 4」など多様なAIモデルを利用できる。約3000種類のテンプレートが用意されており、「会議ノート」「面接分析」「名言」などシーンや内容に合わせて選べばAIが適切なスタイルに整えてくれる。自業務に合ったテンプレートを自作することも可能だ。
参加者10人の会議でお試し 議事録作成は便利になるか?
2025年下期のキックオフ会議でPlaud Note Proを使ってみた。長辺が4〜5メートルある机の中央ではなく、あえて端にPlaud Note Proを置いて収音性能を確かめてみる。全員の了承を得た上で録音を始めた。
約1時間の会議を終えて、音声データをスマホに転送。文字起こしや要約に使うAIモデルとテンプレートを指定せず、Plaud Intelligenceに任せたところ約2分でテキストの生成が完了した。
会議室に9人が集まり、1人がWeb会議で参加したハイブリッド形式だったが全員分の音声を的確に拾い上げてテキスト化しており、指向性音声収音技術の実力を確かめられた。文字起こしには誤変換も一部あるが、固有名詞以外はおおむね問題ない。AIサービスの中には聞き取れなかった部分を勝手に省略・補完することがあるが、Plaud Intelligenceは不明瞭な箇所を「その行動を決めている***それが」というように表記する点を高く評価できる。任意の文章をクリックすると該当箇所の音声が再生されるため最初から聞き直さずに確認でき、かなりの時短になる。
「発言者識別」機能によって発言ごとに「Speaker 1」「Speaker 2」というラベルが付けられており、話者名は手動で変更可能だ。会議の参加者は10人だったが、発言者は7人しか認識されていなかった。残る3人の音声は確かに拾っていたが、発言時間が短かったため声質やイントネーションといった識別用のサンプルが足りなかったのだろう。まだβ版の機能ということで、今後のアップデートに期待だ。
要約は、会議の要旨をつかんでおり文句のない精度だ。タスクを整理した「アクションアイテム」、消化不良に終わった議論の課題を提示する「AI提案」、会議の構造を図示した「マインドマップ」などの要素も気を利かせて出力してくれている。
これまでは議事録を人力で書き起こしてきたが、その作業を代替できるクオリティーだと感心した。メモから解放されれば議論に参加しやすくなるため、会議の質も上がるはずだ。生成された要約やマインドマップは、テキストファイルやDOCXファイルとしてエクスポートできる。共有リンクを取得して関係者に送ることも可能だ。
Plaud Note Proは「多次元要約」という機能を備えている。1つの録音データから複数パターンの要約を生成するもので、AIモデルを変えて要約を生成したり、「経営者向け」「事業部長向け」「現場作業者向け」などの役職ごとに適した要約を得たりできる。自分用の要約と顧客に渡す要約を分けて生成するといった使い方もできそうだ。
「要約さえ読んでいる暇がない」「疑問点だけすぐ確認したい」というときは「Ask Plaud」が役に立つ。チャット形式でAIに質問できる機能だ。質問すると、録音データを参照して回答してくれる。過去の録音データを横断して回答させることも可能で、「◯◯について話したけどいつだったか覚えていない」という場面でも記録を確認できる。
録音しながら散歩したら“音声版Vlog”ができた
ある日曜日、録音モードにしたPlaud Note Proを胸ポケットに入れて出掛けてみた。これがなかなか面白い。美術館の展示を見た後に感想を喋ったり、食事中のテーブルに置いて舌鼓を打つ様を録音したりすると、後からテキストで見返せる。散歩中、「このバスは◯◯行きです」「◯◯区では条例で路上での客引きは禁止されています」といった町中の音声も記録されているため“音声版Vlog”のようだ。
「特にここは強調したい」という時は、録音中に本体デバイスのボタンを押せば「ハイライト」を記録できる。AIが生成したとは違い、利用者自身が任意のポイントを指定できる。筆者は散歩のチェックポイントごとにハイライトを残す、という使い方をしてみた。
またPlaud Note Proは「マルチモーダル入力」に対応している。録音中にスマホアプリから写真を登録可能で、会議の資料やホワイトボードを撮影してハイライトに追加するといった使い方ができる。訪れた美術館や散歩ルートの写真を記録すると、まるで日記のようになる。
毎月300分まで無料で文字起こし 未課金でも全AI機能が使える
Plaud Note Proは社内会議の議事録作成に役立つだけでなく、「メモが取りにくい電話での商談を記録する」「アイデアを気の向くまましゃべって後から確認する」といった場面でも活躍する。旅行先で1日中録音しておき、思い出をテキストで残すのも良いかもしれない。
ビジネスシーンでの利用を想定しているためプライバシー保護やセキュリティ対策にも力を入れており、本体デバイスとスマホアプリ間のデータ送信は暗号化されている。Plaud Intelligenceは、欧州の個人データ保護にまつわる枠組み「GDPR」(EU一般データ保護規則)や米国公認会計士協会が策定したセキュリティフレームワーク「SOC II」などに準拠している。
Plaud Intelligenceはサブスクリプションモデルで、どのプランでも全てのAI機能が利用できる。無料の「スタータープラン」でも毎月300分まで文字起こしができるため、毎週1時間の会議で使うには十分だ。年間1万6800円の「Proプラン」は月間1200分の文字起こしが可能。年間4万円の「Unlimitedプラン」は無制限に文字起こしができる。
1週間ほどPlaud Note Proを使ってみると「かなり有能なガジェット」だという感想が浮かんでくる。ボタン1つで録音を始められ、終わったらすぐに要約が生成される。取材や会議後にすぐ「ここはこうですね」などと振り返られる。これまで取材時の録音はスマホを使っていたが、この便利さはスマホの録音アプリにはまだない。
このガジェットの軽さ、薄さ、便利さ、文字起こし精度の高さなどは使ってみないと分からない。Plaud Intelligenceは今後もアップデートされるだろう。それを見越してPlaud Note Proを購入しておくのはアリかもしれない。
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提供:PLAUD株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2025年11月17日















