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デジタルアニメ最前線における外付けHDDの重要性〜GONZOの場合(1/3 ページ)

早くからフルデジタルアニメーションを手がけてきたアニメ制作プロダクション「GONZO」。地上デジタル放送など高品位な映像が求められる中で、デジタルアニメ制作におけるデータの肥大化の現状と課題、そしてその解決策について話を聞いた。

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 (株)ゴンゾ・ディジメーションは、G.D.H.グループの中核として、アニメーションの企画、開発、制作を中心業務としている映像制作プロダクションだ。同社は、1992年に前田真宏氏、山口宏氏、樋口真嗣氏、村濱章司氏(現・代表取締役社長)の4名の新進気鋭のクリエイターが映像グループ「GONZO」を結成してスタートした。

 これまでTVやゲームなどのさまざまな映像制作に関わってきたが、1997年に初の本格アニメーション作品『青の6号』を制作して一躍脚光を浴びてからは、フルデジタル作品のトップランナーとして注目されてきた。


「戦闘妖精雪風」(c)2002神林長平・早川書房/バンダイビジュアル・ビクターエンタテインメント・GONZO OVA全5巻 DVD3巻好評発売中(バンダイビジュアル)

 (株)ゴンゾと(株)ディジメーションが合併してゴンゾ・ディジメーションとなった2002年には、10周年記念作品として『戦闘妖精雪風』をリリースし、東京国際アニメアワード最優秀作品賞(OVA部門)を受賞した。最新作としては、卓越した映像美が話題となった『LASTEXILE(ラストエグザイル)』、新撰組をテーマにした『PEACE MAKER鐵』や初のキッズ向け作品となる『カレイドスター』、さらに初の劇場用作品『SPIRIT』などを手がけている。

 デジタル化が加速するアニメーション制作の現場における今後の課題は、HD(High Deffinition)への対応などによる肥大化するデータの取り回しをどうするかということだ。この課題について、一貫してフルデジタル制作を行ってきた同社がどのように考えているか、同社デジタル部VFXの吉岡宏夫氏、同部2DVFXチーフの林コージロー氏にお話をうかがった。


デジタル部・2DVFXチーフの林コージロー氏(右)と、デジタル部VFXの吉岡宏夫氏(左)

サーバメインの制作環境

 現在の制作環境はどのようになっていますか?

「Windows環境でAdobe After Effectsをメインに撮影環境を整えてます。Adobe After Effectsは価格もこなれていて導入しやすいですし、MacバージョンもWindowsバージョンもあり、プラグインも豊富にありますから。将来的には64ビットCPUにロングホーン(Windowsの次期バージョン)をのせて、Adobe After Effectsがネイティブで動くようになれば未来が見えるかなと(笑)」(吉岡氏)。

「マシンスペックの方は、CPUがハイパー・スレッディング・テクノロジのPentium 4の3GHzです。3Dの部門ではXeonのDualが入っていますが、撮影の方でも次に導入するマシンはそれぐらいのものは欲しいと思っています」(林氏)。

 Adobe After Effectsが64ビットに対応するのが要になりそうですね。内蔵HDDはどのぐらいのものを使っていますか?

「内蔵は意外に少なくて80Gバイトぐらいですね。基本的にサーバメインで作業していますので」(林氏)。

コンパクトにまとめても、一話=約50Gバイト

 作品のデータ量はやはり大きいと思いますが、どの程度になるのでしょう?

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