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その性能は本当に“Extreme”なのか──Intel Core2を検証するイマドキのイタモノ(2/3 ページ)

垣間見せた性能に度肝をぬかれたIntel Core2ファミリー。このたび、ようやく腰を落ち着けて検証することができた。その真価のほどを紹介しよう。

平均消費電力が下がっているCore2

 もう1つの重要なポイントは平均消費電力だ。平均消費電力とは、PCが動作しているときにCPUなどが平均的に消費している電力量のことで、この数値が少なくなればなるほど、実際に利用する電力量が減少する。有り体に言えば、電気料金がそれだけ節約できるということだ。

システムレベルの瞬間消費電力

 残念ながら今のところ、CPU単体での消費電力をはかるのは、特殊な装置がない限り不可能なのだが、PCシステム全体で消費している電力を電力計で計測することはできる。CPUに依存するコンポーネント(マザーボードやメモリ)以外をそろえて計測することで、そのCPUがほかの製品に比べてどの程度多く消費しているかを相対的に計測することが可能になる。今回も、電源コンセントに接続して電子機器の瞬間消費電力を計測する装置を利用して、システムのおおよその消費電力を計測してみた(環境などは後述するベンチマークの項目を参照していただきたい)。計測したのは、アイドル時(Windowsが起動しているだけの状態で、CPU負荷率0%に近い状態)と、CPU負荷率が高い状態となっているTMPGencでのエンコード中、3DMark06のゲーム1の3つの時点での瞬間消費電力。結果はグラフの通りだ。

 これはもうグラフを見れば一目瞭然で、Core2 Extreme X6800で最も消費電力を消費している3DMark06のゲーム1でも176ワットに過ぎず、Pentium XE 965(3.73GHz)のアイドル時の204ワットを大きく下回っている。つまり、Coreマイクロアーキテクチャではフルロードに近い状態が、Pentium XE 965の何もしていない状態よりも消費電力を消費していないということになる。

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 また、これまで消費電力でインテルを大きくリードしてきたAMDのAthlon 64 FXやAthlon 64 X2に比べても、Core2 Extremeが大きく下回っていることも特筆できるだろう。

ベンチマークのバージョンアップにともないいくつか入れ替えを実行

 それでは、実際にベンチマークプログラムを利用してCore2 ExtremeとCore2 Duoの性能に迫っていこう。Coreマイクロアーキテクチャでは、基本的には、Core DuoことYonahの発展系と考えて良いが、以下のような点が拡張されている。

  • 実行エンジンのパイプラインが従来の3パイプから4パイプに拡張された
  • SSE命令を実行するときに128ビットで処理することが可能になり、2つのSSEエンジンで1クロックサイクルで最大で8つの命令を処理することができる
  • 2つのコアが共有する4MBのL2キャッシュ

 これらにより、シングルスレッドの性能も大きく改善されるのが、Core2 Duoの特徴といえる。今回もベンチマークは昨年の12月の記事「きょうはいろんな意味で最高峰な「Pentium Extreme Edition 955」の性能と効率をチェックした」からずっと利用しているベンチマークプログラムを利用した。これは以前説明したように、ベンチマークが代替わりしたり、新しいよりよいものが出てこない限り同じものを利用することで、恣意的な結果にならないように配慮しているためだ。ただし、以前も述べたように6カ月に一度程度は見直しすると述べたが、ちょうど今回がその時期にあたるため、3DMark03を落として、新しくリリースされた3DMark06を、TMPGenc 3 XPRESSを落としてその後継となるTMPGenc XPRESS 4を入れ、テストはWMVへのエンコードだけでなく、MPEG4 AVC 3Mbpsへのエンコードも含めることにした。また、今回からWAVファイルをMP3へエンコードする「Lame」をテストに追加した。筆者の記事に関しては、今後半年はこれに固定してベンチマークをやっていきたい。

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 テスト環境も変更を加えている。従来のテストでGPUにはGeForce 6600を利用してきたが、今回からGeForce 7900 GTに変更した。このため、今回の結果から前回までの結果とは互換性がないので注意したいただきたい。

 なお、Core2 ExtremeとCore Duoのベンチマークには、Intel 975Xを搭載したマザーボードを利用した。なお、Intel 975Xのメモリに関してはDDR2-800ではなく、DDR2-667を利用している。Intel 975Xを搭載したIntel D975XBX(リビジョン3.04、Core2 Duoが利用できるのはこのリビジョン以降)は、オーバークロックモードでDDR2-800を利用することができるのだが、あくまで標準環境ではDDR2-667までとなるので、DDR2-667としている。なお、Core2 Duo E6700に関しては、Intel P965+DDR2-800環境でも試しているので、975XかP965かどちらにしようか検討しているユーザーはそちらを参考にしてほしい。

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