レビュー

「読めて書ける」BDドライブの恩恵は?──ソニー「VAIO type A VGN-AR70B」新世代光学ドライブ搭載ノート連続レビュー第3回(3/3 ページ)

新世代光学ドライブを搭載したノートPCの連続レビュー。トリはBDドライブを搭載したVAIO type Aだ。フルHD対応の液晶ディスプレイとの組み合わせでノートPCにどんな世界を提供するのだろうか。

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このノートはプロアマレベルのクリエィティブ機能をベースに複数の顔を持っている

 各種ベンチマークの結果を表で示す。3DMark05で5000超、3DMark03で11000超というスコアは大型ノートPCの中でも高い部類に入る。GeForce Go 7600GT搭載の効果だと思うが、これだけの3D描画能力があればイマドキの3Dゲームでも描画能力にストレスを感じることはまずない。PCMark05ではHDDがストライピング状態で出荷された効果も大きく、競合製品を上回るスコアを叩き出している。

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 今回使用した「VGN-AR70B」は店頭販売される製品としては上位グレードだ。しかし型番からも分かるように実質の最上位グレードはVAIOオーナーメードモデルの「VGN-AR90S」であり、先にレビューしたQosimo、BIBLOがそれぞれ最上位モデルであることを考慮すると、比較としてはバランスを欠く感もある。そこで「VGN-AR70B」だけでなく「VGN-AR90P」も念頭において評価していくことにする。

 「VGN-AR70B」は間違いなくクリエイティブ志向を持ったユーザーに向けた大型ノートだ。競合製品が地上デジタル放送によるハイビジョン視聴、録画、再生に製品の存在意義を見出す中、ハイビジョン編集に注力したのはHDVカムを販売している同社ならではのスタンスだ。BDドライブでハイビジョン保存が可能という特徴も従来モデルに対する大きな魅力となるだろう。HDVカム買ったはいいが編集するには「PCのスペックが」「ディスプレイの解像度が」「ソフトウェアの買い足しが」といった問題がついて回る。VAIO type Aはこの問題を1台ですべて解決する。もちろん「HDVカムを買ったからついでにPCも買っていこう」といえる価格ではないが、PCとしての高い処理能力も考慮すれば決して悪い買い物ではないだろう。

 「VGN-AR90S」はBDドライブと地上波デジタルチューナーを選択することが前提になるだろう。地上波アナログチューナーも同時に利用できない点は残念だが、やはりハイビジョン放送をその画質のままBDメディアにムーブできるメリットは大きい。現状において競合製品にないメリットだ。またBDドライブとDVDスーパーマルチドライブの価格差も6万円とかなり「お買い得」に設定されている。店頭で自由な価格で販売される製品とは簡単に価格を比較できないが、例えばCore Duo T2500、1Gバイトメモリと構成を「VGN-AR70B」と同等とし、録画番組はBDメディアへのこまめにムーブすることを前提にHDDはミニマムの160Gバイト、BDドライブと地上デジタルチューナーを選択するとその価格は35万4800円となる。地上デジタル放送を録画しそのままの画質でBDメディアに残せる点を考慮すると、結構お買い得なのではないかとすら思えてくるし、2万円の追加出費でハイビジョン編集に対応する各種ソフトウェアもプリインストールできる。

 もちろんVAIOオーナーメイドモデルであって、テレビチューナーが1つしか搭載できないと言った点は、現時点で地上デジタル放送が開始されていない地域の人やTV録画の頻度が高い人にとっては魅力を欠く。従って大型ノートに万能性を求める、という人には価格相当の利用価値を見出すのは難しいかもしれない。しかしこの点を除くと、スタイリッシュなデザインと現時点で唯一BDドライブを搭載している点が大きな魅力であることに間違いない。万能性が求められる大型ノートだが、PCの使い道はしっかり決めている、そんな人にはVAIOオーナーメイドモデルも含めて魅力的な製品となるはずだ。

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