Boot Camp 1.1βはどこまで鍛えられたのか:アップルの新兵訓練所を訪問(3/3 ページ)
8月に公開されたBoot Campの新βだが、実際にはどこが変わり、どのMacユーザーに朗報をもたらしたのか、具体的に見ていこう。
定番ベンチマークテストを走らせてみた
参考までに、Boot Camp 1.1β環境でのベンチマークテストの結果をBoot Camp 1.0β環境のものと比較してみた。どちらもメモリ容量は512Mバイトだ。
Boot Camp 1.0のときには、ほとんど同じ構成の本職のWindowsマシン「Endeavor NT9500 Pro」に比べてGraphicsの値が低いということを指摘した。今回、改善があるかと思ったのだが、ほとんど変化はない。そう思って確認したら、ATI Mobility Radeon X1600のドライバのバージョンはどちらも「6.14.10.6606」で変わっていなかった(*3)。
あの日の自分に戻りたい……
以前の記事で、Intel iMacにWindows XPをインストールするとき、パーティションを切り直してHDD全体をWindowsにしてしまう、つまり「Windows専用iMac」が作れてしまうという話を書いた(*4)。この場合、外付けHDDにMac OS Xをインストールして、Mac OS Xはそっちから起動させるといった運用もできる。
たしかに、可能ではあるだけれど、この場合、今回のBoot Camp 1.1へのアップデートで困ってしまう。ドライバディスクを作りたいだけなんだけれど、外付けHDDからMac OS Xを起動した環境では、「Boot Campアシスタント」が立ち上がってくれないのだ。
また、Boot Campアシスタントでパーティション分割するのではなく、Mac OS Xのディスクユーティリティでパーティションを分割し(もちろんこの場合、HDDの内容は一度失われる)、その一方にWindows XPをインストールするというのも、やればできてしまっていた(*5)。この場合にも、「Boot Campアシスタント」が立ち上がってくれないため、ドライバディスクが作れない。
実は、わたしはこの後者の条件でひっかかってしまっていた。以前、いろいろと実験したあとに環境を元に戻すのをさぼっていたのだ。しかたないので、手持ちのデータを全部吸い上げて、HDDを再フォーマットして元の状態に戻してという作業が必要になってしまった(*6)。
ところが、全部すんでから分かったのだけれど、ドライバディスクを作成するだけなら、実は「Boot Campアシスタント」を起動しなくても大丈夫だったのだ。
Mac OS Xで「Boot Campアシスタント」を「右クリック」して「パッケージの内容を表示」してみる。すると「Contents/Resources」の下に「DiskImage.dmg」というファイルが見つかる。
これはディスクイメージなので、そのままディスクユーティリティでCD-Rに焼いてもいいし、ダブルクリックでマウントさせて、中の「Install Macintosh Drivers for Windows XP.exe」をUSBメモリなどにコピーさせるのでもいい。
あの日のわたしに教えてあげたいが、いずれにしてもあのまま運用するのは、いずれ無理が出ただろうから、ちょうどよかったということにしておこう。
*3最初に気がつかないのは間抜けである。
*4この場合、パーティションタイプはFDISKになる。
*5ただし、Mac OS Xでファームウェアアップデートができないなどの問題は発生する。
*6実はこのときに、HDDのエラーが発見されてドライブ自体を交換することになった。普通のマシンなら自分で取り替えるのだけれど、Intel iMacは完全密封なので、非破壊では分解できないのだ。原稿の完成を目前にして、やむなくiMacは修理へと旅立っていった……
関連記事
MacBook “KURO”で無線LANとiSightは本当に使えるのか
Apple Computerから新たに発表されたBoot Campの新バージョンを、MacBook “KURO”に導入した。国内MacBookユーザーに朗報、なBoot Camp 1.1β公開
8月15日に公開された最新のBoot Campは、国内のMacBook/MacBook Proユーザーにとって大きな意味のあるアップデートを含んでいる。ショック……Boot Campで分かった「Windows XP vs Mac OS X」対決の衝撃的な結末とは?
Apple純正の「Boot Camp」でWindows XPが走るようになったIntel Mac。前回使った1.83GHz Intel Core Duo搭載の17インチiMac(MA199J/A)で、さらにいくつか実験をしてみた。もうみんなMacを買えばいいと思う――Apple純正「Boot Camp」をさっそく試した
Apple ComputerからIntel MacでWindows XPの起動を可能にする「Boot Camp」のβ版が突如として発表された。“しっぽ”がないだけじゃないの――アップル「Wireless Mighty Mouse」としっぽり過ごした1週間
Wireless Mighty Mouseを1週間ネチネチといじり倒してみた。前編ではマウスそのものとドライバ周りをチェックした。“しっぽ”なしはWindowsで使えるの?――アップル「Wireless Mighty Mouse」
Wireless Mighty Mouseを1週間ネチネチといじり倒した。前編ではマウスそのものとドライバ周りをチェックした。レビュー後編では実際の使い心地とWindows環境での動作を見ていこう。Core 2 Duo搭載でiMacが1.5倍高速化――24インチモデルも
アップルコンピュータがCore 2 Duoを搭載した新iMacのラインアップを発表、即日出荷を開始した。全4モデルに拡充され、24インチモデルも登場している。アップル、Mac miniのCPUをひっそりとアップデート
アップルコンピュータが新型iMacの発表と時を同じくしてMac miniのCPUアップグレードを行った。MacBookと暮らした1週間――白黒MacBook徹底レビュー
MacBookと暮らす間に、気付き、考え、感じたことをリポートする。「黒いのは高いだって? それはスペシャルだからさ」――MacBookインタビュー
本日より販売が開始されている「MacBook」について、来日したApple Computerの幹部David Moody(デビッド・ムーディ)氏に話を聞いた。MacBookに触ってきた!
さまざまな噂を呼んだiBook後継機のMacBookがついにベールを脱いだ。Mac OS Xで作業しながらGyaOを見る、は本当か?――「Parallels Workstation」を検証する
Mac OS XとWindows XPの同時利用を“実用的な”速度で実現できるのであれば、デュアルブートになる「Boot Camp」より使い勝手はいいはず。さっそくこれを試してみた。MacBook“KURO”でWindows Vista β2を走らせた
Windows Vista Ultimateのβ2プログラムの一般公開が始まった。物は試しということで、まずはMacBookにインストールした。最後のIntel Mac製品「Mac Pro」「Xserve」がついに登場――次期Mac OS X “Leopard”のプレビューも公開
8月7日、スティーブ・ジョブズCEOはXeon 5100番台搭載のクアッドコアMac ProやXserve、次期Mac OS XのLeopardを発表した。それは秘密です!?――次世代Mac OS X “Leopard”の新機能に迫る
WWDC 2006でついに姿を見せた次世代Mac OS XのLeopard(開発コード名)。その全容は“TOP SECRET”としながらも、いくつかの新機能が公開された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.