Boot Camp 1.1βはどこまで鍛えられたのかアップルの新兵訓練所を訪問(3/3 ページ)

» 2006年09月14日 08時00分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]
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定番ベンチマークテストを走らせてみた

 参考までに、Boot Camp 1.1β環境でのベンチマークテストの結果をBoot Camp 1.0β環境のものと比較してみた。どちらもメモリ容量は512Mバイトだ。

ベンチマークテストBoot Camp 1.0Boot Camp 1.1
PCMark05
PCMark35653611
CPU42534234
Memory29012900
Graphics16921693
HDD39804290
3DMark06(1280×768ドット)
3DMarks11481130
SM2.0 Score328326
HDR/SM3.0 Score489479
CPU Score15481528
3DMark05(1024×768ドット)
3DMark Score27792754
CPU Score49034824

 Boot Camp 1.0のときには、ほとんど同じ構成の本職のWindowsマシン「Endeavor NT9500 Pro」に比べてGraphicsの値が低いということを指摘した。今回、改善があるかと思ったのだが、ほとんど変化はない。そう思って確認したら、ATI Mobility Radeon X1600のドライバのバージョンはどちらも「6.14.10.6606」で変わっていなかった(*3)。

あの日の自分に戻りたい……

 以前の記事で、Intel iMacにWindows XPをインストールするとき、パーティションを切り直してHDD全体をWindowsにしてしまう、つまり「Windows専用iMac」が作れてしまうという話を書いた(*4)。この場合、外付けHDDにMac OS Xをインストールして、Mac OS Xはそっちから起動させるといった運用もできる。

 たしかに、可能ではあるだけれど、この場合、今回のBoot Camp 1.1へのアップデートで困ってしまう。ドライバディスクを作りたいだけなんだけれど、外付けHDDからMac OS Xを起動した環境では、「Boot Campアシスタント」が立ち上がってくれないのだ。

 また、Boot Campアシスタントでパーティション分割するのではなく、Mac OS Xのディスクユーティリティでパーティションを分割し(もちろんこの場合、HDDの内容は一度失われる)、その一方にWindows XPをインストールするというのも、やればできてしまっていた(*5)。この場合にも、「Boot Campアシスタント」が立ち上がってくれないため、ドライバディスクが作れない。

 実は、わたしはこの後者の条件でひっかかってしまっていた。以前、いろいろと実験したあとに環境を元に戻すのをさぼっていたのだ。しかたないので、手持ちのデータを全部吸い上げて、HDDを再フォーマットして元の状態に戻してという作業が必要になってしまった(*6)。

 ところが、全部すんでから分かったのだけれど、ドライバディスクを作成するだけなら、実は「Boot Campアシスタント」を起動しなくても大丈夫だったのだ。

 Mac OS Xで「Boot Campアシスタント」を「右クリック」して「パッケージの内容を表示」してみる。すると「Contents/Resources」の下に「DiskImage.dmg」というファイルが見つかる。

 これはディスクイメージなので、そのままディスクユーティリティでCD-Rに焼いてもいいし、ダブルクリックでマウントさせて、中の「Install Macintosh Drivers for Windows XP.exe」をUSBメモリなどにコピーさせるのでもいい。

現状のBoot Campは、外付けHDDからMac OS Xを起動した環境では利用できない(画面=左)。この「DiskImage.dmg」ファイルの存在に早く気がついていれば、iMacを修理に出す必要がなかったのかもしれない……(画面=右)

 あの日のわたしに教えてあげたいが、いずれにしてもあのまま運用するのは、いずれ無理が出ただろうから、ちょうどよかったということにしておこう。

*3最初に気がつかないのは間抜けである。

*4この場合、パーティションタイプはFDISKになる。

*5ただし、Mac OS Xでファームウェアアップデートができないなどの問題は発生する。

*6実はこのときに、HDDのエラーが発見されてドライブ自体を交換することになった。普通のマシンなら自分で取り替えるのだけれど、Intel iMacは完全密封なので、非破壊では分解できないのだ。原稿の完成を目前にして、やむなくiMacは修理へと旅立っていった……

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