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MacBookを7日間だけ使う機会を得た。試用したのは最上位の黒いモデル(MA472J/A)と、もっとも安価な1.83GHzの白いモデル(MA254J/A)。こちらの体はひとつしかないので、主に使ったのはやっぱり黒の方だ。筆者が普段使っているマシンはiBook G4なので、使用感の比較対象はiBook G4ということになる。まず、移行アシスタントでiBook G4の環境をMacBook黒にコピー。マシン名とIPアドレスだけをオリジナルなものにして試用開始だ。
MacBookの標準搭載メモリは512Mバイトだ。使ってみてすぐに分かったのだけど、これではまったく足りない。アプリケーションを切り替える度どころか、ことえりを立ち上げようとするときにさえ、ちょっと待たされてしまうのだ。これは結構フラストレーションがたまる。翌日アイ・オー・データ機器からメモリを借りて取り替えてみたのだけど、512Mバイト+512Mバイトの1Gバイトにすればこの問題は解決した。さらに、1Gバイトのモジュールを2本使って2Gバイトにしても、普通の使用感にはとくに違いはなかった。もちろん、複数のアプリケーションを同時に立ち上げる場合は、メモリが多いほど切り替えの待ち時間が減る。
ちなみに、メモリの装着には少しコツというか、力がいる。裏側のバッテリーを外してネジ3本をはずすと、L字型の金属のふたがとれる。元のメモリを外し、増設メモリの切り欠けの向きを間違えないように挿し込む(図が書いてある)。ここでかなりの力がいる。MacBookを立てて体重をかけて押し込むくらいでないときちんと挿さらないのだ(*1)。ちょっとドキドキするくらいの力の入れ具合だ。
キーボードのデザインが昔のMSXを思い出させるので、キータッチも安っぽいんじゃないかと思ったら、全然そんなことはなかった。強めにタイプしてもキーボードユニット全体がへなったりはしない。わりと軽めのクリック感でこれも筆者好みだ。
また、トラックパッドには新機能が追加された。2本指でドラッグするとスクロールできる従来の機能に加えて、トラッグパッドに2本指を置いた状態でボタンをクリックすると副ボタンクリック(いわゆる右クリック)になるというものだ。この設定はデフォルトではオフになっているので、システム環境設定の「キーボードとマウス」でオンにする必要がある。
Mac OS Xがコンテキストメニューを採用して以来、「右クリック」はCtrlキーを押しながらクリックするという方法が使われてきた。これは操作に両手が必要で美しくない。でもこの2本指+クリックなら片手でできるのだ(*2)。美しい。
iBookの液晶は暗かった。使う場所が室内ならよいのだけれど、屋外の場合は一番明るい設定にしてもちょっと暗いなあと思ってしまうくらいだ。それに比べるとMacBookの液晶はとても明るい。ひなたでもない限り屋外だってちゃんと見える。夜中に部屋で原稿を書くのには一番暗く設定してちょうどいいくらいだ(歳のせいかあまり輝度が高いと目が疲れる)。
MacBookは、Apple ComputerのPCでは初めて光沢パネルを採用している。デビッド・ムーディさん絶賛のLRGP(Low Reflective Glossy Polarizer)液晶だ。たしかにグレア液晶の中では比較的映り込みが少ない方だと思う。液晶に映る自分の顔にショックを受けるなんてことはあまりない。でも、筆者が比較する対象はiBook G4までのノングレア液晶なので、それに比べるとしっかり反射する。例えば下の写真。
これは地下鉄(都営浅草線)の座席で、ひざの上にMacBookを広げてみたときの液晶の様子だ。蛍光灯がこのくらいに映り込んでいる。パネルの角度を変えて映り込まないところを探そうとするのだけど、ここで困った問題が出てくる。
MacBookの液晶は上下の視野角が狭いのだ。左右は広いけど、上下は狭い。まったく見えなくなるわけではないのだけど、色合いは変わってしまう。上から見ると白っぽく飛び気味になり、下からだと黒く潰れる。個人的には、MacBook Proでグレア液晶が選べるようになったのと同様に、MacBookでもノングレアを選べるようにして欲しい。
*1 MacBookにもともと挿さっていた256Mバイトのメモリモジュールはそこまできつくなかった。また、きつかったアイ・オー・データ機器のメモリをiMacに挿してみたところ、そこまでの力は必要なかった。
*2 これは最初「ボタンを2本指でクリックする」という意味だと思って、一生懸命ひとさし指と中指とでクリックしてしまった。もちろんこれは間違いで「トラックパッドに2本の指を置き別の指でボタンをクリックする」が正解。ひとさし指と中指をトラックパッドにおいて親指でクリックするという感じだろう。筆者以外にこんな間違いをする人はいないだろうけど、念のため。
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