生まれ変わったデルのスタンダードノートPCに迫る――「Inspiron 1520」:ダイレクトPC最前線(2/2 ページ)
ラインアップを一新したデルのInspironシリーズの中で、パワフルなスタンダードノートPCに位置づけられるのがInspiron 1520だ。実力のほどはどうだろうか?
性能重視のBTOメニュー
続いては内部のシステムを見ていこう。
冒頭で述べた通り、本機は“Santa Rosa”世代へプラットフォームを移行しており、チップセットにIntel PM965 Expressチップセットを採用する。CPUはFSB 800MHzのCore 2 Duo T7500(2.2GHz/L2キャッシュ4Mバイト)/同T7300(2.0GHz/L2キャッシュ4Mバイト)/同T7100(1.8GHz/L2キャッシュ2Mバイト)、無線LANもドラフト11nあるいはIEEE802.11a/g/bから選択可能だ。8月からは容量1GバイトのIntel Turbo Memoryも追加できる。
また、現時点ではInspiron 1720や1420のようにチップセット内蔵のグラフィックス機能は選べず、NVIDIA GeForce 8600M GT(グラフィックスメモリは256Mバイト)/同8400M GS(同128Mバイト)のみとパフォーマンス重視の構成になっている。HDDは容量160/120/80Gバイトから、光学ドライブもBlu-ray Discドライブを筆頭に、DVD±RW/コンボドライブがBTOメニューに用意されており、予算に応じてスペックを変更できる。
ただメモリスロットは2基備えているが、底面から簡単にアクセスできた従来機と異なって本機ではキーボード直下にプライマリのスロットがあり、底面にセカンダリのスロットが配置される。キーボード直下のスロットには、ツメで固定されたキーボード上部のカバーを外し、ネジ2本を取り外せばアクセスできるがやや面倒だ。なお、底面には2基のMiniPCIスロットやIntel Turbo Memory用のスロットがある。
パフォーマンスは良好で次世代Inspironシリーズの中核を担う実力機
最後に、評価機でベンチマークテストを行った。評価機の主なスペックは下記の表にまとめたが、BTOで選べる上位パーツで構成されている。 Windows エクスペリエンスインデックスの値を見ても分かる通り、グラフィックスのスコアを除けば4.7以上と良好な数値を記録した。もっとも、グラフィックスも3.0とWindows Aeroなどの動作に支障はなく、ライトな3Dゲームなら十分に楽しめるだけの性能を備えている。
底面から吸気して左側面に排気する構造のため、本体の設置場所には気を配る必要があるものの、システムに高い負荷をかけ続けても手の触れる部分で不快に感じるほど熱は持たず、騒音も一般的なオフィスや昼間の家庭内ならば気にならない程度に抑えられている。
Inspiron 1520の主なスペック(評価機の場合) | |
---|---|
CPU | Core 2 Duo T7500(2.2GHz) |
メモリ | 2Gバイト(1Gバイト×2/PC2-5300) |
HDD | 160Gバイト(2.5インチ/5400rpm) |
液晶ディスプレイ | 15.4インチワイド光沢 |
画面解像度 | 1680×1050ドット |
光学ドライブ | DVD±RWドライブ |
グラフィックス | NVIDIA GeForce 8400M GS |
そのほか | Intel Turbo Memory(1Gバイト) |
OS | Windows Vista Home Premium |
評価機の構成で17万6516円(7月5日現在、キャンペーン適用ずみ)となるが、WSXGA+の画面を備えたパワフルなPCとしては比較的安価な部類に入る。最小構成価格なら11万6550円と手ごろな価格で購入でき、随時開催中のキャンペーンを活用すれば、さらに安価に本機を入手できるだろう。
こちらの記事にもあるように、新Inspironシリーズではテクニカル電話サポートが標準で24時間365日対応(これまでは12時間)となったほか、サポート&サービス体制が「DellCare」に整理されて分かりやすくなったのも好印象だ。ボディデザインも一新され、「確かにデルのPCはコストパフォーマンスが抜群だけど、見ためが今ひとつで……」とこれまで購入に踏み切れなかったユーザーも、新Inspironシリーズは要注目の製品だ。すでにデル リアル・サイトなどのショールームでは実機の展示が始まっているので、まずは店頭で本機の実力に触れてみてほしい。
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