インテル、“Montevina”こと「Centrino 2」を発表
インテルは7月16日に、新世代のノートPCプラットフォームとなるCentrino 2を正式に発表した。FSB1066MHzへの対応、切り替え可能なグラフィックス機能、WiMAXを想定した無線LANなどが注目される。
インテルは、新世代のノートPC向けプラットフォーム「Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー」(以下、Centrino 2)を発表した。
これまで、開発コード名の「Montevina」と呼ばれてきた新しいプラットフォームは、従来のCentrinoと同様に、ノートPC向けのCPU、チップセット、そして無線LANを始めとするネットワークコントローラで構成される。CPUは、従来のCentrinoを構成してきたモデルと同じ、45ナノメートルプロセスルールとHigh-Kメタルゲートを採用しているが、Centrino 2を構成するモデルでは、FSBが1066MHzまで対応し、2次キャッシュも最大6Mバイト実装するモデルが登場する。
チップセットは、Centrino 2に併せて登場したモバイル向けのIntel 4シリーズで、グラフィックスコアを統合した「Intel GM45 Express」とグラフィックスコアを統合しない「Intel PM45 Express」が用意される。どちらもFSB1066MHzと667MHzに対応し、利用できるメモリはDDR3-1066/800/677、もしくは、DDR2-800/667で、最大搭載容量は8Gバイトに達する(DDR3-667の対応は2008年後半になる予定)。また、Intel GM45 Expressに統合されるグラフィックスコアは、動作クロック533MHzのIntel GMA X4500HDになる。ネットワークコントローラでは、無線LAN対応のインテル WiFi Link 5000シリーズが新たに発表された。このコントローラは、IEEE 802.11 a/gのほか、802.11n(ドラフト)もサポートする。
Centrino 2では、新しい省電力機能として、「スイッチャブル・グラフィックス」が加えられる。この機能は、チップセットに統合されたグラフィックスコアと外付けの専用GPUを、専用スイッチを使った切り替え、または、供給電源の状態(AC電源使用、バッテリー駆動時)を検知した自動切り替えが行える。AMDの新世代ノートPC向けプラットフォーム(通称“Puma”)で導入されたHybrid Graphicsと同じように、グラフィックス処理の負荷が軽いときは統合されたグラフィックスコアを有効にして消費電力を抑え、3Dなどのグラフィックス処理の負荷が重いときは外付けの専用GPUを有効にして、性能を向上させることが可能になる。
また、ビジネス市場向けのノートPCプラットフォームとなる「vPro テクノロジー インテル Centrino 2」では、ワイヤレス接続における遠隔操作やシステム診断、往診、修復などが可能になるほか、インテル アクティブ・マネージメント・テクノロジー)によって、電源をオフにした状態でもリモート管理を可能にし、ファイアウォールを超えた遠隔設定ができるようになる。
なお、インテルは、Centrino 2の無線LANコントローラで対応することになるWiMAXについて、インテル WiMAX/WiFi Link 5050番台をノートPC向けに出荷する予定で、日本ではUQコミュニケーションズが、2009年の2月から東京23区と横浜で、2009年夏ごろに東名阪エリアでそれぞれ試験サービスを実施する計画であることを明らかにしている。
動作クロック | FSB | 2次キャッシュ | TDP | 価格 | |
---|---|---|---|---|---|
Core 2 Extreme X9100 | 3.06GHz | 1066MHz | 6Mバイト | 44ワット | 9万2600円 |
Core 2 Duo T9600 | 2.80GHz | 1066MHz | 6Mバイト | 35ワット | 5万7670円 |
Core 2 Duo T9400 | 2.53GHz | 1066MHz | 6Mバイト | 35ワット | 3万4390円 |
Core 2 Duo P9500 | 2.53GHz | 1066MHz | 6Mバイト | 25ワット | 3万7870円 |
Core 2 Duo P8600 | 2.40GHz | 1066MHz | 3Mバイト | 25ワット | 2万6230円 |
Core 2 Duo P8400 | 2.26GHz | 1066MHz | 3Mバイト | 25ワット | 2万2740円 |
グラフィックスコア | FSB | メモリ | 価格 | |
---|---|---|---|---|
Intel GM45 Express | Intel GMA X4500HD | 1066MHz/667MHz | DDR2-800/667、DDR3-1066/800/667 | 4680円 |
Intel PM45 Express | - | 1066MHz/667MHz | DDR2-800/667、DDR3-1066/800/667 | 4240円 |
関連キーワード
Centrino 2 | Intel | Centrino | ノートPC | WiMAX | 無線LAN | CPU | IEEE 802.11n | Puma | Netbook | 次世代 | Moorestown | Penryn | 省電力 | UMPC | UQコミュニケーションズ | vPro
関連記事
IntelがCentrino 2発表、「最速」Core 2 Extremeも
Intelが新Core 2 Duoと802.11nチップを搭載したCentrino 2を発表。さらに、90日以内に初のモバイルクアッドコアプロセッサなどを追加発表する。- Intelが「Centrino 2」を延期。原因はグラフィックスとワイヤレス
Intelは6月末に予定されていたCentrino 2のリリースを延期する。新しいCPUとチップセットは7月半ばに、フルプラットフォームは8月に登場する。 - Intel、「Centrino 2」にSSDをバンドルか
Intelが来月リリースのノートPC向けプラットフォーム「Centrino 2」に、80GバイトSSDを加えると伝えられている。 「2008年のモバイルはMIDとNetbookとCentrino 2で」──インテル定例記者会見
4月9日に行われた定例記者会見では、先日行われたIDF上海のダイジェストが、特にモバイルプラットフォームを中心に紹介された。パルムッターさんは上海で「Netbook」をアピールする
春のIDFが上海で開幕した。初日のキーノートでは同日発表された“Atom”に関連した「小型デバイス」が主役、と思ったのだが。インテルの次世代プラットフォームを考える
Intel 4シリーズチップセットやCentrino2と、徐々にではあるがインテルの次世代プラットフォームが姿を現しつつある。その概要をまとめた。WiMAXとMoorestownで広がるモバイルデバイスの行動圏
IDF 2007の2日めは「モバイル・デイ」がテーマだった。ここでは、ノートPC、UMPC、新しいカテゴリの小型デバイス、そしてWiMAXに関するIntelの発言をまとめていく。「Nehalem」が動いたっ!──IDF初日基調講演から
年2回の開催から年1回となったIDF(北京は特別版ということで)。そのおかげで内容も充実している。リポート第2弾は「Penryn」「Nehalem」をカバーしよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.