「2008年のモバイルはMIDとNetbookとCentrino 2で」──インテル定例記者会見
4月9日に行われた定例記者会見では、先日行われたIDF上海のダイジェストが、特にモバイルプラットフォームを中心に紹介された。
2008年のキーワードはNehalemとCentrino 2
インテルは4月9日、都内で2カ月に1度行われる「インテル・クライアント・アップデート」を開き、米Intelの上級副社長 モビリティー事業本部長のダディ・パルムッター氏がIDF 上海 2008のハイライトを紹介した。
それに先立って登場したインテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は、「Invent the new realityをテーマに、世界から5500名が参加。Atomの発表やNehalemの技術公開、そのほかのアップデートがあり、今後のPCと技術に関する情報交換が行なわれた」とIDF上海の成果を述べている。
パルムッター氏は「現在のインテルは、IAでミリワットからペタフロップスという幅広いレンジをカバーしており、多くのセグメントでパフォーマンスリーダーになっている」と述べ、その例として業界標準の「SPECpower」ベンチマークテストの測定結果TOP10に挙がっているすべてのシステムがCPUにXeonを採用していることを示した。
続いて“チックタック”モデルについて言及し、2008年は革新的なアーキテクチャへの移行を行う「Nehalem」で、2コア、4コア、8コアの製品を投入する予定で、メモリコントローラの内蔵とSMT(Simultaneous Multithreading)対応、新しいマイクロアーキテクチャの採用とSSE 4.2のサポートなどの特徴を備えていると紹介した。
ノートPC向けのプラットフォームでは6月に「Montevina」(開発コード名)こと「Centrino 2」をリリースする予定となっており、Core 2 DuoとWiFi+WiMAXコントローラモジュールが構成要素になると語った。WiFi(IEEE 802.11n対応)とWiMAXのモジュールにはmini PCI Expressサイズのカードのほか、小型ノートPCへの内蔵を想定したハーフミニサイズのカードも用意される。
パルムッター氏は、Montevinaが高い性能と長いバッテリー駆動時間、より小さなフォームファクタへの対応、無線接続機能の強化などを実現するほか、チップセットに統合されたグラフィックスコアの性能も強化され、HQVスコアは120(満点は130)と現在のディスクリートハイエンドモデルに匹敵するとアピールした。
モバイル市場を細かくセグメントして製品を投入するAtom
小型ノートPCとMIDの関連では、「Atom」と「Centrino Atom」を中心に紹介した。Atomを搭載する多くのラインアップが登場する予定だが、インテルが想定するCenrino Atomマシンの構成は、次のようにセグメントを分けている。
- 4.5〜6インチの液晶ディスプレイを搭載し、LinuxやWindows XPが動作するMID
- 10インチ以上の液晶ディスプレイを搭載し、LinuxやWindowsが動作するインターネット利用に特化したNetbook
- 12インチ以上の液晶ディスプレイを搭載し、Winodowsが動作する、高い生産性を持ったノートPC
以上のように、すべてのモバイル向けシステムでIAを採用することにより、インターネットで提供される最新のサービスがどのセグメントでも利用できるため、ARMプラットフォームを採用するシステムと比べてメリットがあるとパルムッター氏は主張している。Centrino 2を採用する製品はすでに多くのメーカーが開発を行っていて2008年6月の発表を目指しているという。
最後にパルムッター氏はワイヤレスネットワークインフラについて言及し、WiMAXが2009年に東京でも実証実験が行われる予定であり、「(ワールドワイドで見た場合、WiMAXが運用が始まる)トップバッターではないがよいポジションについている」と述べた。
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