Intelが「Centrino 2」を延期。原因はグラフィックスとワイヤレス
米Intelが、新モバイルプラットフォーム「Centrino 2」のリリース日を延期する。統合型グラフィックス機能に関する問題が見つかり、802.11n無線規格の使用認可の申請に関して問題が起きたためだ。
Intelの広報担当者は5月27日の電子メールで、これらの問題を発見したことを受け、Centrino 2(コードネーム「Montevina」)のリリースを延期したと説明している。同プラットフォーム向けの45nm(ナノメートル)Penrynファミリーの新プロセッサ、チップセットは、当初は6月末にリリースされる予定だった。
現在、Intelは新しいチップセットの一部とモバイル向けCore 2 DuoおよびExtremeを7月14日にリリースする予定だ。チップセットとワイヤレスチップがそろった完全なプラットフォームは8月第1週に登場する。PCベンダーは7月に、入手可能なチップセットとプロセッサを搭載したノートPCを立ち上げる見込みだとIntelは述べている。
今回のリリース延期は、Intelと米AMDが6月から始まる新学期商戦に向けて新ノートPCプラットフォームを準備する中で起きた。AMDは6月初めに台湾の2008 COMPUTEXで「Puma」プラットフォームを立ち上げるとみられる。
「数週間の延期で、第2四半期の当社の見通しが変わることはない」とIntelの広報担当ビル・カーコス氏は電子メールで述べている。「これらのノートPCの需要は非常に大きく、関係者全員にとって重要な立ち上げとなる。新学期商戦に間に合うようにベストを尽くしており、需要を満たすためにすべての製品を十分に用意している」
問題はグラフィックスと認可
今回の延期発表の数日前、American Technology Researchのアナリスト、ダグ・フリードマン氏は、Centrino 2に問題があることを示唆する調査報告書を記した。
1つ目の問題は、Centrino 2で802.11n無線技術を使うための米連邦通信委員会(FCC)の認可プロセスを完了できていないことにある。つまり、Intelは同プラットフォームを米国外には出荷できるが、国内ではリリースを延期するか、従来規格の802.11a/b/gを搭載して出荷することになる。
もう1つの問題は、Intelがチップセットに統合するグラフィックス機能に関連する。ハイエンドノートPCではNVIDIAやATIのスタンドアロン型グラフィックスチップを使うことができるが、PCメーカーが学生や企業ユーザー向けに販売するローエンド寄りのノートPCはこの問題の影響を受ける。
「ハイエンドノートPCはスタンドアロン型グラフィックスカードに合わせて設計されているため、影響を受ける可能性があるのはローエンド寄りのシステムだと確信している」とフリードマン氏は5月23日に記している。「実際、(Intelへの)影響としては、チップセット事業内での製品構成が改善される可能性がある。だがそれは、この機能的な問題による歩留まりの損失で帳消しになる」
Intelはグラフィックス統合型チップセットに関する具体的な問題にコメントしていない。カーコス氏は、Centrino 2の最終テストでこの問題を発見したこと、出荷前にチップセットを再検査しなければならないことを明らかにしている。FCCの認可については、書類上の手続きと必要なアンテナテストに問題があったとしている。
「グラフィックス統合型チップセットの再検査を必要とする2つの問題への対処、ワイヤレスアンテナの申請とテストの際の諸条件のミスへの対応に、さらに何日かかかる」(カーコス氏)
AMDのPumaにはチャンス
Technology Business Researchのアナリスト、ジョン・スプーナー氏は、今回の件はIntel製品ではほぼ2年ぶりの重大な延期と指摘するが、Intelが新学期商戦の顧客や法人顧客にリーチする上で影響が出るかどうかは疑わしいとしている。
「このようなプラットフォームの開発は非常に難しく、すべてを問題なく動かすために、舞台裏で常に多くの作業が行われているという前提に立たなければならない」とスプーナー氏は語り、グラフィックス機能統合の問題はいかなるものであれ、IntelのローエンドノートPCの大量販売を遅らせる可能性があると付け加えた。
今、それ以上に大きな問題は、AMDがこの遅れにつけ込んで、PumaはCentrinoに代わる有力な選択肢だと主張できるということだ。
「AMDのPuma(第2四半期に出荷開始の予定)立ち上げには追い風になると確信している。PCメーカーはPumaプラットフォームの方を積極的に推進するかもしれない」とフリードマン氏は述べている。「NVIDIAとAMD/ATIのスタンドアロン型グラフィックスチップは恩恵を受ける可能性があると信じている。今回のグラフィックス統合型チップセットの問題で、ローエンドシステムでも、Montevinaプラットフォームに(グラフィックスチップを)二重に搭載する理由が増えるかもしれないからだ」
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