次元を超えた画像解析技術――「Deep Zoom」と「Photosynth」を体験する:Lookup! せんせーしょん(3/4 ページ)
超ズームの次の一手は想像のななめ上どころか、次元を超えていた。日本の誇る文化をモチーフにした実例で、Photosynthの魅力に迫る。
実際にPhotosynthを作ってみる――写真を突っ込むだけで自動で合成
このすばらしいPhotosynthだが、Windows Live IDとカメラがあれば誰でもこのSynthを作成することができる。ただし、英語のインタフェースしかないので、ここで詳しく説明しておこう。
Synthの作成は素材(写真)の準備が全体の手間の95%を占める。仕上がりはいかにPhotosynthに適応した写真を用意するか、その1点にかかっているといってもいい。実際、画像を用意した後はツールまかせであり、人の手が介在するところはない。Photosynthのガイドビデオもあるが(マイクロソフトのFun Computingには、日本語の説明や字幕付きビデオも用意されている)、重要な点をいくつかピックアップしておこう。
- 同じものを最低3方向から撮影する
- 部屋の中を撮るときは中央に立って、少しずつ回転しながら全周を撮影、次にコーナー側から中央を撮影する
- 各写真が50%以上重なり合うように撮影する
- 写真のトリミングはしない
- 鏡のように反射するものは避ける
写真の枚数が多いほど情報量(と計算量)は増えるが、それだけの枚数を互いの重なり合いを意識しながら撮影するのは大変な手間がかかる。今回はこの手間を省力化するため動画撮影を利用することにした。動画で被写体をなめるように撮影していき、その後1秒間隔で静止画に切り出していく、というアイディアだ。重なり具合を考慮すると1フレーム分を2秒程度で移動するくらいの速度で撮ればいいはずだ。
制作ガイドに従えば、ある地点から左右にパンしながら撮影、被写体を固定して多少移動して再び左右にパン、を繰り返すことになる。しかし、このような撮影をしているとものすごく怪しい人に見えるので、ある程度妥協し、じっくりと観察しながら歩き回るような視点、つまり左右をながめながら移動し、気になるものがあったらそこに近づいていってじっくり観察(撮影)するという行動をとることにした。一応、スナップ程度には静止画も撮影してある。
撮影した素材は2816×2112の静止画が132枚、640×480のムービーが16分30秒。GOM Playerを使ってムービーから984枚の静止画を切り出し、合計で1116枚の写真を用意した。この枚数はほかのSynthに比べるとかなり多いが、それほど手間はかかっていない(ソフトウェア側の計算時間はかかっているが)。
素材ができあがったらPhotosynthサイトでアカウントを作成し、Synthを作成する。
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