これならプロも使えるワークステーションノート──レノボ「ThinkPad W700」(3/3 ページ)
ThinkPadラインアップに加わった最大級のThinkPadは17型ワイド液晶にクアッドコアCPUだけじゃない。デジタイザにカラーキャリブレータと、これまでにない機能を満載する。
Crysisも軽々動く3Dグラフィックス性能
ThinkPad W700の評価機でWindows エクスペリエンス インデックスを確認すると「5.8」となった。ほとんどの項目で「5.9」というスコアであるが、ゲーム用グラフィックスのみが「5.8」であったためだ。ThinkPad W700はQuadro FXを搭載しているとおり、どちらかといえばOpenGLに最適化されているが、今回はDirectX系のベンチマークテストでパフォーマンスを計測してみた。
3DMark06 3DMarksは標準設定で11207を記録し、最大解像度の1920×1200ドットにおいても9021と、Quadro FX 3700Mは高い3D性能を示している。また、PCMark05 PCMarksのスコアも7958となった。システム全体で見るとグラフィックス性能がほかのスコアの底上げをしている印象があるが、全般的にどのベンチマークテストの結果でもノートPCとは思えないハイスコアを出している。FINAL FANTASY XI Official BenchMark 3でも、Lowが7342、Highが4616と、快適に楽しめる数値であることが分かる。World in Conflict、CrysisといったFPSゲームのベンチマークテストでも画質設定を「high」にして計測してみたが、こちらのスコアも相当な値をたたき出している。
3DMark06 | 3DMarks |
---|---|
1280×1024ドット | 11207 |
1600×1200ドット | 9839 |
1920×1200ドット | 9021 |
PCMark05 | Score |
---|---|
PCMarks | 7958 |
CPU | 8479 |
Memory | 5634 |
Graphics | 10786 |
HDD | 6086 |
World in Conflict | High |
---|---|
1280×768ドット | 33 |
1440×900ドット | 29 |
1680×1050ドット | 25 |
1920×1200ドット | 21 |
Crysis 1.2 | DX10:High |
---|---|
1280×1024ドット | 21 |
1600×1200ドット | 18 |
1920×1200ドット | 15 |
FINAL FANTASY XI | Official BenchMark 3 |
---|---|
low | 7342 |
high | 4616 |
筆者がグラフィックスデザイナーに聞いた話では、クリエーターたちがノートPCへの移行をためらう理由の1つにカラーマッチングの問題があるという。ThinkPad W700で(デジタイザ、カラーキャリブレータを排したモデルも選べるが)この2つの機能を搭載した意義は大きい。
ThinkPad W700はこれまでノートPCが進出していなかった分野に切り込む製品である。ダイレクト価格で75万円近くの価格設定ではあるものの、これら機能とCore 2 Extreme QX9300、Quadro FX 3700Mのパフォーマンスと合わせて、クリエイティブプロフェッショナル向けのデスクトップ代替ワークステーションノートと呼ぶのにふさわしい内容を持った製品といえるだろう。
ThinkPad W700 | 評価機(27585EJ)スペック |
---|---|
CPU | Core 2 Extreme QX9300(動作クロック2.53GHz) |
メモリ | DDR3 SO-DIMM×2スロット(2Gバイト×2) |
チップセット | Intel PM45 Express |
グラフィック | Quadro FX 3700M |
ディスプレイ | 17型ワイド(1920×1200ドット) |
HDD | 400GB(2.5型SATA/7200rpm/200Gバイト×2) |
内蔵ドライブ | Blu-ray Discドライブ |
LAN | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n(Intel WiFi Link 5300AGN) |
Bluetooth | 搭載 |
セキュリティ | TPMチップ、指紋認証センサー |
カードスロット | ExpressCard /34×1、CFカードスロット、マルチカードリーダ |
インタフェース | IEEE1394、オーディオ入出力、ドッキングコネクタ、アナログRGB、DVI-D、DisplayPort、デジタイザ、カラーキャリブレータ、10キーボード |
サイズ | 410(幅)×310(奥行き)×40.6~41.4(厚さ)ミリ |
重さ | 3.76キロ(バッテリーと内蔵ドライブ含む) |
関連記事
注目機能を搭載したパフォーマンスモバイル──レノボ「ThinkPad T500」
Centrino 2の導入をきっかけに、ラインアップを一新したThinkPadシリーズ。ハイエンドスリムノートの「T」シリーズもその性格を変えたのだろうか。レノボ、Centrino 2搭載ThinkPad計6製品の詳細仕様を正式発表
レノボ・ジャパンは、7月16日付けで発表となったノートPC「ThinkPad」新モデル6製品の詳細仕様を決定、販売を開始した。新シリーズも登場したCentrino 2時代のThinkPad発表
レノボ・ジャパンは、7月16日にThinkPad新製品8モデルを発表。Centrino 2プラットフォームの採用に合わせて、ラインアップを一新した。レノボ、「ThinkPad X300」の技術説明会を開催
「ThinkPad X300 電気設計について」と題して、レノボ・ジャパンが大和研の技術者によるプレス向け技術セミナーを開催した。ThinkPad X300に込められた“大和”魂
IBMからレノボに変わって多くのThinkPadが登場した。「何も変わらない」とレノボはいうが「何かが違う」と思うユーザーも少なからずいた。そんなユーザーを熱くさせる新生ThinkPadが出現したのだ。大和研が誇る「ThinkPad X300」を速攻で分解した
レノボが威信をかけて投入した薄型軽量モバイルノートPC「ThinkPad X300」は、中身もスゴイのか。試作機を分解し、ボディ内部を探ってみた。薄く、軽く、そして頑丈なモバイルノート――写真で解説する「ThinkPad X300」
13.3インチワイド液晶と光学ドライブを搭載し、厚さ18.6~23.4ミリ、重量約1.42キロを実現した「ThinkPad X300」。そのボディをじっくりチェックした。大和の技術を結集した“究極のThinkPad”――「ThinkPad X300」発表会
13.3インチワイドで最軽量、最薄のモバイルノート「ThinkPad X300」は、ThinkPadの哲学を守る「ThinkPadらしいThinkPad」でありながら、Xシリーズの携帯性とTシリーズの機能を両立した。レノボ、ノートPC「ThinkPad R61」など計3モデルにPenrynコア搭載モデルを追加
レノボ・ジャパンは、同社製ノートPC「ThinkPad R61」「Lenovo 3000 V200」「Lenovo 3000 N200」の3モデルに、それぞれCore 2 Duo T8100搭載モデルを新たに追加した。ThinkPadに隠された“フクロウの羽根”の秘密
ThinkPadの冷却システムは、アイスクリームサーバやフクロウの羽根をヒントに作られている、と聞いたらあなたは驚くだろうか。ThinkPad15周年モデルの「ThinkPad X61s 15th Anniversary Edition」を発売――315台限定
レノボは、ノートPC「ThinkPad」15周年を記念したモデル「ThinkPad X61s 15th Anniversary Edition」を発表した。販売台数は315台限定。ThinkPadのキーボードが打ちやすい理由――大和のエンジニアかく語りき
文字が入力しやすいノートPCの代表格といえるThinkPad。そのキーボードとトラックポイントのデザインは、細部に至るまで考えた末での結論だった。「数値ではない」ことを重視するThinkPadの機構設計
「耐荷重100キロ超」「重さ1キロ未満」とイマドキのノートPCは数値で性能を訴求する。だが、ThinkPadで大事なのは数値でない。その真意を機構設計の第一人者が語った。“らしさ”を作るレノボのデザイン哲学
「ThinkPad」シリーズは、IBM時代から大和事業所で開発が行われている。そこで活躍するエンジニアとデザイナーがその取り組みについて説明する、ラウンドテーブルが8月24日に行われた。日本でも欲しいっ! 革をまとったThinkPad X61が国内で初披露
歴代のThinkPadを知るユーザーなら、筐体を革でくるりと巻いた「のり巻きケース」という言葉に反応するだろう。欧米で登場した「特別なThinkPad」はもっともっと本格的らしい。レノボとKDDI、WIN対応通信モジュールを搭載したThinkPad X61/X61sを発表
レノボ・ジャパンとKDDIは、CDMA 1X WINに対応したPCI Express Mini Card規格の通信モジュールを内蔵したThinkPad X61とX61sを発表した。オンラインサインアップで3Gネットワークが利用できる。レノボ・ジャパン、ThinkPad 「X61s」「T61p」「R61」「R61e」発表
レノボ・ジャパンはThinkPadの新製品「X61s」「T61p」「R61」「R61e」を発表した。2007年5月に発表された“Santa Rosa”ThinkPadの追加モデルとなる。ThinkPadの“拷問部屋”を体験してきました
IBM時代からThinkPadを生み出しきた大和事業所には、設計・開発を行う研究棟以外にも、“トーチャーテスト”という何やら恐ろしげな試験のための施設や、歴代ThinkPadを飾った展示スペースがある。覗いてきました。ThinkPad XシリーズもSanta Rosaに進化
レノボ・ジャパンは5月31日に、ThinkPad XシリーズとLenovo 3000 Vシリーズの新製品を発表した。先日登場した姉妹機同様、Santa Rosa世代のCentrinoを採用する。“Santa”なThinkPadが登場
レノボ・ジャパンは5月22日に、ThinkPad TシリーズとRシリーズ、Lenovo 3000 Nシリーズの新製品を発表した。TシリーズとNシリーズは“Santa Rosa”世代のCentrinoを採用する。ThinkPadは“黒いBento Box”である(後編)――黒くて四角いアイデンティティ
語られるようでいて実は語られていない、PC・周辺機器のデザインにフォーカスした本連載。PCメーカー編の第5回はレノボ・ジャパンの「ThinkPad」シリーズ後編をお届けする。ThinkPadは“黒いBento Box”である(前編)――ThinkPadのデザイン思想
語られるようでいて実は語られていない、PC・周辺機器のデザインにフォーカスした本連載。PCメーカー編の第4回はレノボ・ジャパンの「ThinkPad」シリーズだ。“ThinkPadの父”内藤氏が語る「ThinkPad X60 Tablet」
電磁誘導式と感圧式の両方に対応した業界初のタブレットPC「ThinkPad X60 Tablet」について、ThinkPadの生みの親でもあるレノボ・ジャパン取締役副社長の内藤氏に話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.