まるで格闘技のようなPCゲーム対戦“ショー”:CeBIT 2009(2/2 ページ)
欧米人は、とにかくスポーツで盛り上がる。スタジアムで応援は当然、街のスポーツバーでも大騒ぎ、そして、PCゲームもサッカーのようにエキサイトしちゃうのだ。
日本でもPCゲームで興奮したい
日本でも、PCゲームの対戦イベントが何度となく行われているが、定着しているとはいえない(コンシューマーゲーム系のイベントが盛り上がっていたりするが、そのノリは“対戦”とちょっと異なるような気がしないでもない)。PCゲームに携わるベンダーの体力的な制約もあると思うが、日本でPCゲームが盛り上がらない原因の1つに、こうした「参加者を興奮させる演出」が少ないことも一因であるように思える。
オンラインゲームを1人で淡々とプレイするのもいいし、自分の部屋で誰にはばかることなく勝利の雄たけびを上げるのもいい。でも、家に閉じこもって1人で楽しむというだけでは、PCゲーム人口は先細りする一方だ。もっとオープンに、大人数が1つの場所に集まって興奮するような楽しみ方が広く知られるようになれば、PCゲームの面白さがもっと多くの人に分かってもらえるのではないだろうか。
Intel Gaming Hallでは、PCゲームの対戦イベントのほかにも、オーバークロック対戦が行われていた。PC USERでもCOMPUTEX TAIPEI 2008で行われたオーバークロック大会におけるTeam Japanの活躍を紹介しているが、欧米ではオーバークロックでさえも巧みな演出でスポーツ的ショーイベントにしてしまう。実際、PCゲーマーでもオーバークロッカーでも、セミプロ的な人物が存在し、Intel Gaming Hallでは、彼らのサイン入りブロマイドが“販売”されているほどだ。こういったユーザーのあこがれとなるようなスターが存在するのも、観客を興奮させるイベント演出のおかげかもしれない。
Intel Gaming Hallの主催はインテルだが、デルとASUSが機材協力を行っている。インテルにしてもデルにしてもASUSにしても、ハイエンドパーツのターゲットとしてPCゲーマーやオーバークロッカーを想定している。もし、彼らが日本の市場でも本気でPCゲームをアピールしたいならば、いままでPCゲームベンダーやPCパーツベンダーだけに任せていたゲームイベントに積極的に取り組んで、欧米で蓄積された演出のノウハウを提供すべきではないだろか。
欧米ではまだまだ数が多いといわれているPCゲーム人口だが、決して右肩上がりではない。なおさら日本では、悠長にかまえている時間はそれほどない、はずだ。
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