速攻フォトレビュー──FMV-BIBLO LOOX M/D10の“Netbook”純度を検証する:2009年PC夏モデル(2/2 ページ)
FMV-BIBLO LOOX Mは、“Z”なAtomではなく、“N”なAtomを採用した正統派Netbookだ。BIBLOシリーズ初となるNetbookの使い勝手をチェックしてみる。
「LOOX M」の見やすさと打ちやすさをチェックする
LOOX Mの液晶ディスプレイサイズは10.1型ワイドで、解像度は1024×576ドットだ。液晶ディスプレイは輝度が明るく色も鮮やかで見やすい。ただ、光沢パネルを採用しているので、室内照明がはっきりと映りこむ。輝度の調整レベルは8段階で、通常のオフィスの照明でも最低輝度による画面表示の確認はそれほどつらくない。ただ、輝度を落とすと周囲の映り込みがいっそうはっきりしてくるのは気になる。白い画面を表示して試したところ、輝度を4レベルまで上げれば周囲の映りこみはだいぶ軽減された。
LOOX Mのキーボードは軽く、それでいてタイプ時に指をしっかり支えてくれるので、長い文章をストレスを感じずに入力できる。主要キーの横幅は実測で約17ミリ、縦幅は約15ミリ確保されている。右寄りに配置された記号キーは幅が詰められており、「;」「:」キーで約12ミリ、カーソルキーは約14ミリであった。ちなみに、Shiftキーは左が約25ミリで右が約14ミリ、スペースバーの長さは約57ミリだ。カーソルキーと右シフトキーはそのほかのキーと分離することなく、連続して配置されている。慣れないうちはピリオドやドットのタイプで苦労するかもしれない。
タッチパッドの下に用意されているクリックボタンは固い。気合いを入れないと押した指を跳ね返してしまうほどだ。ボタンの外側端を押さないとクリックが認識されないなど、使いこなすにはある程度のテクニックを要する。タッチパッドのサイズは幅55ミリ、縦34ミリ。その下に縦幅12ミリのクリックボタンがついている。左右のクリックボタンは均等に2分割されている。パームレストの奥行きは52ミリだった。
ほぼ同日生まれの同世代Netbookを比較する
4月20日に発表された東芝のdynabook UXとまさに競合するLOOX Mだが、それぞれのスペックを並べてみると、標準バッテリーを搭載した状態で、サイズはLOOX Mがわずかに小さく(ただし薄いのはdynabook UX)、重量はdynabook UXがわずかに軽い(ただし、ともに大容量バッテリーを搭載した状態ではdynabook UXが1330グラム、LOOX Mが1350グラムとほぼ同じ)。
本体の重さとともに携帯性能に影響するバッテリー駆動時間では、dynabook UXが標準バッテリーで約4時間、大容量バッテリーで約10時間のところ、LOOX Mは標準バッテリーで約2.6時間、大容量バッテリーで約5.3時間と、こちらは大きく差をつけられている。
液晶ディスプレイのサイズは同じ10.1型ワイドだが、縦方向の解像度はdynabook UXが600ドットであるのに対してLOOX Mは576ドットと少ない。ただし、アスペクト比16:9を忠実に守っているので、コンテンツ再生には適していると見ることもできる。
用意されているインタフェースを比べると、USB 2.0の数は同じながら、dynabook UXでは電源をオフにした状態でUSBに接続した機器を充電できる。一方で、BIBLO LOOX Mでは、カードスロットがSDメモリーカードだけでなく、メモリースティック(PROにも対応)も使え、無線接続ではIEEE 802.11b/g以外にBluetooth 2.1+EDRもサポートする。
以上のように、バッテリー駆動時間を重視するユーザーにとって、LOOX Mは不利になるが、本体に搭載したインタフェース、特に対応するカードメディアと無線接続のスペックを優先するユーザーにはLOOX Mは有力なNetbookとなるだろう。
関連記事
NetbookやフルHD対応の液晶一体型PCなどの初物が登場――富士通「FMV夏モデル」発表
4月21日、富士通が個人向けFMVシリーズの2009年夏モデルを発表した。同社初のNetbookやフルHD対応の液晶一体型PCに注目だ。LOOX初の"正統派"Netbook──FMV-BIBLO LOOX M
富士通は、2009年夏モデルでLOOXシリーズでは初めてのNetbookとなる「FMV-BIBLO LOOX M」を発表した。AtomN270を採用して10.1型ワイド液晶を搭載する。LEDバックライト液晶と新デザイン、BD搭載モデルも強化した主力ノート──「FMV-BIBLO NF」
富士通の主力ノートPC「FMV-BIBLO NF」は、新デザインのボディと豊富なカラーバリエーション、LEDバックライトの液晶ディスプレイを採用するなど、基本機能が向上した。サブ画面に電子辞書機能、水冷+デジタル3波対応のハイエンドノート──「FMV-BIBLO NW」
「FMV-BIBLO NW」シリーズは、デジタル3波チューナー+BD+水冷システムを搭載するハイエンドノートPCだ。新たに、サブディスプレイ「タッチスクエア」に表示できる電子辞書機能を設けた。重量1.27キロ/12.6時間駆動のハイエンドモバイルノート──「FMV-BIBLO LOOX R」
富士通の軽量/長時間駆動モバイルノートPC「FMV-BIBLO LOOX R」がマイナーバージョンアップ。12.1型ワイドのディスプレイとSSD、光学ドライブを備え、重量約1.26キロ、約12.8時間のバッテリー駆動を実現する。CPUやメモリ容量を強化した大画面モバイルノート──「FMV-BIBLO MG」
13.3型ワイドと14.1型ワイドの液晶ディスプレイを選択できる、重量2キロ以下の大画面モバイルノートPC「FMV-BIBLO MG」。2009年夏モデルはCPUをCore 2 Duo P8700、メモリ容量を4Gバイトに強化した。鮮やかカラーの軽量A4ノートが機能強化──「FMV-BIBLO S」
デザイン性と機能性を両立したスタンダードノートPC「FMV-BIBLO S」がCPUのスペックやメインメモリ容量などを向上させ、マイナーチェンジした。3波ダブル録画対応の一体型が23型フルHD液晶を装備――「FMV-DESKPOWER LX」
テレビ機能を重視した一体型PC「FMV-DESKPOWER LX」は、液晶を大画面・高解像度化しつつ、ラインアップを1モデルに限定。高機能モデルの性格をより強めた。BDドライブを備えたデザイン重視の一体型――「FMV-DESKPOWER F」
富士通は、スリムな液晶一体型PC「FMV-DESKPOWER F」シリーズの2009年夏モデルを発表。19型ワイドモデルのラインアップを拡充し、BDドライブ搭載機などを用意した。基本性能が軒並みアップした一体型エントリー機――「FMV-DESKPOWER EK」
「FMV-DESKPOWER EK」は、富士通の個人向け液晶一体型デスクトップPCにおいてエントリークラスを受け持つシリーズ。夏モデルは基本性能を一通り底上げした。モンハン推奨PCとなったクアッドコアCPU搭載機――「FMV-DESKPOWER CE」
スリムデスクトップPCの「FMV-DESKPOWER CE」シリーズは、ゲーム向けに進化。上位モデルにGeForce 9500 GTを搭載し、“モンハン推奨PC”に仕上げている。64ビット化、カラバリ、BD作成ソフトに注力――ソニー「VAIO」夏モデルが始動
国内大手メーカーの2009年PC夏モデルは、ソニーが先陣を切った。64ビット版Vistaの採用をエントリー機まで広げ、BD作成ソフトの機能を強化している。大画面液晶搭載とフルHD対応を拡大──NECの夏モデル発表 (1/3)
NECは、4月14日に2009年夏モデルを発表した。Blu-ray Disc搭載とフルHD対応モデルを大幅に増やしたのが特徴だ。4月16日から4月下旬(一部6月上旬)にかけて順次出荷を開始する。dynabookブランドのNetbookが登場──東芝2009年夏モデル発表
東芝は4月20日に、dynabook、Qosmio、dynabook Qosmio、dynabook SSの新製品を発表した。既存シリーズでCPUやHDDの機能強化が図られたほか、Netbookの新シリーズも登場する。富士通、2画面+水冷ノートやXP搭載UMPCなど「FMV春モデル」を発表
富士通は、FMV-BIBLO、FMV-DESKPOWER、FMV-TEOの2009年春モデルを発表した。全11シリーズを12月19日から順次発売する。ノートPCの新シリーズに要注目だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.