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Windows Home Serverマシンにまず導入しておきたい、初級「WHSアドイン」6選“7”の前に、「Endeavor SV120h」で実践(2/4 ページ)

複数台PCを導入する家庭向けのサーバOSが「Windows Home Server」。今回はWHS搭載の小型マシン「SV120h」にWHSアドインを導入し、より具体的な使い方を実践していこう。

せっかくのホームサーバ、FTPで大容量ファイルの受け渡しにも──「FTP Manager」

「FTP Manager」のインストール画面。Windows Home ServerのインストールDVDからIISのモジュールを追加しておく事前準備の必要はあるが、こちらはDVDドライブを接続してインストールDVDを挿入しておけば自動で行われる。もちろんWindows Home Serverコンソールからの操作でOKだ

 Windows Home Serverは、外出先などからインターネット経由で接続し、ブラウザで共有フォルダにアクセスする機能も備える。こちらは操作する側としてはそこそこ手軽なのが魅力だが、ファイル転送に時間がかかる場合があり、ブラウザ以外からアクセスできない点は難点だ。

 そこで、大容量ないし大量のファイルを送受信する場合はFTPを用いると高速にやりとりできる。このFTPを利用するなら導入しておきたい便利なアドインが「FTP Manager」だ。

 FTP Managerは、名のとおりFTPサーバを詳細管理するためのアドインだ。FTPサーバの機能自体はWindows Home Serverに標準で備えるIIS(Internet Information Server)の機能を使う。インストールから運用までWindows Home Serverコンソールで行え、必要となるWindowsの追加モジュールのインストールもWindows Home Serverコンソールから行えるなど、設定や運用方法に難しい部分はない。FTPアクセスを許可するフォルダを共有フォルダに設定することもでき、複数のFTPサーバ設定を定義して、それを切り替えながら運用することも可能だ。外出先から接続するために必要なルータの設定もリモートアクセスと同様にUPnPで行ってくれる。

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 FTPは例えば業務において、メールには添付しにくい大容量サイズのファイルを受け渡し(先方へ納品、あるいは先方からの納品)するときだけ機能を有効する場合に非常に便利だ。今まで使っていたであろう有料オンラインストレージサービスを利用せずに済むようになり、使うときだけ有効にする使い方ならセキュリティ的にもそこそこ安心。このほか、LAN内でも動画データなどのファイルをまとめてWindows Home Serverマシンに転送したい場合も高速にデータを転送できる。レジューム機能もきちんと備えるので、転送を一時停止する場合や、転送がなんらかの理由で途中で途切れた場合も続きから再開可能だ。

FTPサーバ機能は、複数の設定を定義ファイルとして作成しておき、必要に応じてその1つだけ有効にできる。定義設定は「Add」メニューからサイト名やポート番号、共有するフォルダを指定するだけだ(画像=左)。Windows Home Server既定のGUESTアカウントは利用できないが、ゲストアクセス用にアカウントを追加してFTPサーバへのアクセスを許可する設定にすればよい。定義設定ごとにユーザー権限も個別に設定できる(画像=右)

不正アクセスには不安もあるが、手軽な監視ツールはある?──「Remote Alart」

 出先からでもブラウザで利用できるリモートアクセス機能は非常に便利だ。ただ、不正アクセスへの対策はしっかり行っておかねばならない。IDやパスワードの管理は当然重要だが、リモートアクセスの利用状況をきちんと確認し、把握しておくことも不正アクセスの予防につながる。そこで便利なアドインが「Remote Alart」だ。

Remote Alartで記録したしたアクセス状況。未確認のエラーは赤く表示されるので、ログインエラーがあったことが素早く確認でき、その後の対策に役立てられる。一覧から右クリックで詳細表示にすると、接続元のIPアドレスやOS、ブラウザの種類なども確認可能だ

 Remote Alartは、リモートアクセスのログイン/ログアウト状況を記録して管理できるアドインだ。未確認のログインはエラーとして赤く表示され、ひとめで確認できる。接続元のIPアドレスやOSの種類、ブラウザの種類なども確認できるので、不正アクセスを見つけ出す目安になるだろう。

もっと厳密に監視し、メール通知機能も望むなら──「Remote Noticification」

Remote Notificationの設定画面。エラー、警告(リモートアクセスの開始/終了など)の通知は個別にオン/オフ制御が可能。メール送信サーバはSMTP認証やSSL接続にも対応しており、例えばGmailアカウントからの送信も可能だ

 このほか、不正アクセスをより厳密に監視したいなら「Remote Noticification」アドインも便利だ。

 Remote Noticificationはエラー通知だけでなく、リモートアクセスへのログイン状況をその都度電子メールで通知する機能を用意する。メール送信機能はSMTP認証にも対応するので、自分が加入する国内ISPのメールアドレスも問題なく利用できる。例えば携帯電話メール宛てに送信するよう設定しておけば、ほぼリアルタイムで意図しない動作状態を確認できる。

携帯電話宛てに送信された通知メール。リモートアクセスのログインエラーはエラーとして、ログイン成功は警告(Warning)として通知される

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