1366×768ドット液晶+1.39キロの薄型軽量ボディ──デル「Inspiron 11z」を写真で眺める:なんと6万円台から(2/2 ページ)
デルが日本市場でも6万円台のCULVノートPC「Inspiron 11z」を発売する。Netbook以上の“普通のノートPC”として使用できるとする本機はどんな仕様か。写真で解説していく。
キーピッチは17.5ミリ、“普通”に入力できるキーボード
キーボードも“いたって普通”で窮屈さはほとんど感じない。キーストロークはやや浅めで、パチパチと押す感触ながら、主要キーの縦横ピッチを17.5ミリ確保し、幅広いキートップとともに大きな難を感じずに入力していける。今回はオプションで選択できる英語キーボード仕様で評価した。国内においても英語キーボードを望むユーザーはかなり存在するが、この価格帯のPCでキーボード配列を選択できるオプションを用意したのは、細かいが評価できるポイントだ。なお、日本語キーボードもスペースキーの幅やEnterキーの大きさを含め、配列は若干異なるが、操作感そのものは大きく変わらないと思われる。
残念なのは、慣れるまでEnterキーの横にもう一列配置するキーの誤入力が起こりやすいこと。特に誤入力しがちとなるEnterキーの右となりにある「Page Up」や「Page Down」キーはWebサイト閲覧時に利用するシーンもあるにはあるが、キートップに刻印されているように「Fn」キー+カーソルキーで代用することもできる。本機においては、あえて個別のキーとして配置するより、その分をキーピッチの拡大につなげてくれるほうがユーザーも喜ばしいのではないかと思う。
88(横)×45(縦)ミリサイズのタッチパッドは、ブラウザの戻るや進む、拡大などマルチタッチのジェスチャー操作が可能となっている。個別のクリックボタンを設けない“1枚板”のデザイン性に富むものを採用するが、これも多少の慣れが必要かもしれない。ボタンの場所を目視で確認して押すなら問題ないが、手元を見ずに操作するのはなかなか困難だ。
標準で3時間、6セル長時間バッテリーで6時間駆動
Inspiron 11zは、約3時間3分(カタログ値、以下同)駆動する3セルの標準リチウムイオンバッテリーと、約6時間1分駆動する、容量2倍の6セルバッテリーをオプションで用意する。標準バッテリーは11.1ボルト/23ワットアワーのスティック型で、本体の背面にすっぽり収納される仕様だ。単体の重量は約176グラムだった。
一方、6セルバッテリーは縦に2列セルを配置する仕様となり、6セルバッテリー装着時は底面が約20ミリほど高くなる。Inspiron 11zのディスプレイは、ボディの後面に回り込むように開く仕組みだが、キーボード面に角度が付き、やや厚くなる6セルバッテリーの仕様は、この薄型ボディを実現するために致し方なかったという。
なお、標準バッテリーの駆動時間はカタログ値で約3時間という値は、無線LANやワイヤレスWAN通信も併用する実駆動時間はより短くなると予想される。そう考えると、昨今のモバイルノートPCとしては少々心細い。このため、6セルバッテリーやスペアバッテリーの準備以外に、ACアダプタも携帯する機会は多くなりそうだ。ACアダプタは66(幅)×127(奥行き)×16(高さ)ミリ/約330グラムで65ワット出力となる。やや幅広いが、かなり薄く、かさばりがちな2ピン式プラグケーブルを分離できるので、バッグへの収納性は上々だ。
BTOオプションはかなり豊富
6万円台の価格──とするように、コスト管理が厳しそうなCULVノートPC。メーカーにとってはスペックを半ば固定とすることでこの価格を実現することも多いが、Inspiron 11zはカスタマイズメニューがかなり豊富であるのは同社らしいといえる。
発売時は、CPUのみCeleron 743で固定となるが、前述のとおり全7色もの天板カラーやバッテリーの種類に加え、メインメモリ容量(2Gバイトか4Gバイト)、HDD容量(160Gバイト/250Gバイト/320Gバイト/500Gバイト)、無線LAN(IEEE802.11b/gかIEEE802.11a/b/g/n)、Bluetooth v2.1+EDRの有無などのメニューを用意し、さらにキーボードも日本語配列か英語配列を選択できる。
気になるパフォーマンスやバッテリー駆動時間の詳細は追って製品版の評価機で試したいと思うが、6万円台でシングルコアのCore 2 Solo(動作クロック1.4GHz)を搭載する「Aspire Timeline AS3810T-S22」に近い値と予想される。ともあれ、1366×768ドット解像度のディスプレイと軽量で薄いボディ、普通に入力できるキーボードを備え、6万4980円から購入できるとなると“これなら1台買ってみようかな”と思える資質は備えているだろう。Windows 7に無償アップグレードが可能であることもふまえ、例えば「業務専用」「家族用」「寝室用」など、何かの“専用PC”を探していたユーザーは一考してみてはいかがだろうか。
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