2万円安く長時間駆動──7万円台のCULV版「HP Pavilion Notebook PC dm3i」も捨てがたい:金属ボディのニクいヤツ(3/3 ページ)
13.3型ワイドのディスプレイとメタルボディが特徴の日本HP「HP Pavilion Notebook PC dm3i」。高速なハイパフォーマンスモデルに続き、2万円安く、2時間余分にバッテリー駆動する「ベーシックモデル」のパフォーマンスを検証する。
バッテリー駆動時間は、その分「長い」
バッテリー駆動時間 | dm3iベーシックモデル | (参考)dm3iハイパフォーマンスモデル |
---|---|---|
省電力モード | 約7時間41分 | 約5時間32分 |
ハイパフォーマンスモード (ディスプレイ輝度も最大) |
約4時間58分 | 約3時間54分 |
※BBench 1.01/IEEE802.11gの無線LAN接続、60秒間隔でのWeb巡回×10サイト、10秒間隔でのキーストロークを行う設定で計測 |
では、バッテリー駆動時間はどうか。dm3iベーシックモデルのカタログ公称値は約10時間だ。
dm3i ハイパフォーマンスモデルと同様に「BBench 1.01」(海人氏作/IEEE802.11gの無線LAN、60秒間隔でのWeb巡回×10サイト、10秒間隔でのキーストロークを行う設定で実施)で計測した結果、標準の省電力モード時で約7時間41分、ハイパフォーマンスモード時(輝度最大)で約4時間58分となった。ちなみに、同条件下で計測したdm3i ハイパフォーマンスモデルのバッテリー駆動時間は省電力モード時で約5時間32分、ハイパフォーマンスモード時(輝度最大)で約3時間54分だった。
公称値の約10時間には届かないが、この結果は上々だ。7時間半以上駆動するなら、多くの場合で1日の営業時間まるまるバッテリー駆動だけで持たすことも可能であり、出張や外出機会の多いビジネスユーザーにはとくに心強いことだろう。そして、省電力モードにおいては確かにハイパフォーマンスモデルより「約2時間長く駆動する」ようである。
なお、dm3iシリーズのディスプレイはバックライトがそもそもかなり明るいので、照明を落とした暗い環境でなくても──例えば適度に明るい屋内、喫茶店やファミリーレストランなどでも、最低輝度のままおおむね運用できてしまう。ここは、バッテリー駆動時間をより長くできうるポイントの1つである。
発熱性や騒音レベルも優秀──熱くならず、静か
騒音レベル | |
---|---|
暗騒音 | 35.7デシベル |
アイドル時 | 36.2デシベル |
CINEBENCH R10テスト+HDD内検索時 | 38.2デシベル |
(参考)排熱口から1センチ | 49.2デシベル |
※ディスプレイ面から20センチ離した位置で計測 |
dm3iシリーズは、ハイパフォーマンスモデルにおいても意外に静かで熱くならないが、この特徴はベーシックモデルでも同じである。
駆動音は深夜のオフィスでもほとんど聞こえないほど静かだ(なお、音ではないが、HDDが駆動する振動は若干パームレストに感じる。ただ、これは個体差かもしれない)。高負荷作業時はファンの回転数がやや上がるものの、それも実利用時の体感値としては誤差程度で、キーボードを叩く音にかき消されるほどだ。なお、ファンの風切り音は本体右側面の排熱口から聞こえ、排熱口から1センチの距離で計測すると49.2デシベルとなった。
稼働中の温度 | |
---|---|
キーボード面(左/右) | 28.8度/30.2度 |
パームレスト(左/右) | 31.2度/31.6度 |
ボディ裏面(左/右) | 35.4度/33.1度 |
排熱口 | 37.2度 |
(参考)机上 | 26.2度 |
※室温約27度 ※高負荷テスト+HDD内検索を10分間行った後に計測 |
約27度の室内において、CINEBENCH R10テスト+HDD内検索を10分以上行った後に計測した各場所の温度は、キーボード面が約29度、パームレストが約31度、裏面は約35度前後となった。
発熱が少ないCULV版CPUを採用するベーシックモデルは、ハイパフォーマンスモデルより若干温度が低かった。とはいえ、dm3iシリーズは操作面の温度がそもそもそれほど上がらず、計測環境による誤差範囲と言えるほどの差だ。逆に、冬期に屋外で使うと、金属素材を用いるパームレストが“かなり冷え冷えになる”ほうが気になった。裏面はキーボード面よりやや温度が上がるが、それでも一般的な体温より低い値だ。ヒザに乗せて長時間使用する場合も、不快になるほどの熱さは感じないだろう。
「何かの専用マシン」に特化するなら、ベーシックモデルがいいのでは
dm3iシリーズは、HPの直販サイト「HP Directplus」のみで販売され、「ベーシックモデル」と「ハイパフォーマンスモデル」の2モデルを用意する(店頭販売モデルとして、AMD Congoプラットフォームモデル「HP Pavilion Notebook PC dm3a」もある)。
今回評価したベーシックモデルは、確かにパフォーマンスは標準電圧版CPUと外部GPUを搭載するハイパフォーマンスモデルに劣る。ただ、同一のボディながら2万円も安いこと(10万円以内の価格帯で2万円はかなり大きい)、そして同じバッテリーながら約2時間も長く駆動することがポイントになる。長時間+低価格か、それとも高速か、確かに悩ましいのだが、実はそれほど深く考えることもない。
いわゆるCULVノートPCは、1台ですべてをまかなう使い方ではなく、利用シーンや使い方を特化した「何かの専用マシン」として導入するのが向いている。ゲームやエンコード、動画編集といった高負荷の処理を高速にこなす性能を求めるか否か──。高機能な別のPCを所持しているなら、あるいはビジネスユーザー向けの“仕事用”とするなら、dm3iシリーズにおいてはこのベーシックモデルが向いている。この2万円の差額を利用し、Office 2007 Personalプリインストールモデルにする(ベーシック・オフィスモデル:9万9750円から)、バッテリーをもう1つオーダーする、あるいは3GやモバイルWiMAXのデータ通信端末の初期導入コストに充てるなどもおいしい購入方法の1つと言えそうだ。
→「HP Pavilion Notebook PC dm3i(ベーシックモデル)」のカスタマイズメニューや価格をチェックする
※ノートブック→HP Pavilion Notebook PC dm3iから
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